シンガポールのOverseas Networks & Expertise Pass(ONE Pass)を完全解説。年収SGD30万以上の要件、5年有効、複数企業での勤務許可、家族帯同条件まで2026年最新情報。
この記事のポイント
ONE Pass(Overseas Networks & Expertise Pass)は、2023年1月にシンガポール政府が導入したトップ人材向けのビザです。年収 300,000 SGD(約37,500,000円) 以上(約3,300万円)の高所得者や、芸術・スポーツ・学術分野で卓越した業績を持つ人材が対象で、5年間有効・複数企業での就労可能・配偶者の就労許可という従来のEPにはないメリットがあります。
ONE Passの概要
EPとの比較
| 項目 | ONE Pass | EP |
|---|---|---|
| 有効期間 | 5年 | 初回2年、更新3年 |
| 最低年収 | 300,000 SGD(約37,500,000円) | 月額 5,600 SGD(約700,000円) 〜 |
| 複数企業勤務 | 可能 | 不可 |
| 起業 | MOMへの届出のみ | EntrePass/EPの切替が必要 |
| 配偶者の就労 | LOC不要で就労可能 | LOC取得が必要 |
| COMPASS | 免除 | 40点以上必要 |
| 雇用主の変更 | 届出のみ | 新規EP申請が必要 |
対象者の要件
ONE Passの申請資格は以下のいずれかを満たす必要があります。
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| 要件A: 年収 | 過去1年間の固定月給が 30,000 SGD(約3,750,000円) 以上(年収 300,000 SGD(約37,500,000円) 以上) |
| 要件B: 将来年収 | シンガポールでの勤務先から年収 300,000 SGD(約37,500,000円) 以上の確約 |
| 要件C: 卓越した業績 | 芸術、スポーツ、科学技術、学術分野で卓越した実績 |
要件Cは年収基準を満たさなくても申請可能ですが、MOMによる個別審査となります。
申請手続き
必要書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 申請フォーム | MOMオンラインポータルから提出 |
| パスポートのコピー | 有効期限6か月以上 |
| 学歴証明書 | 最高学位の証明 |
| 職歴証明書 | 過去の雇用主からの証明 |
| 給与証明 | 過去1年間の給与明細・納税証明 |
| 推薦状 | 要件Cの場合は業績を証明する推薦状 |
| シンガポールの雇用契約書 | 要件Bの場合 |
申請から取得までの流れ
| ステップ | 内容 | 所要期間 |
|---|---|---|
| 1 | MOMオンラインポータルで申請 | 即日 |
| 2 | 書類審査 | 4〜8週間 |
| 3 | IPA(In-Principle Approval)発行 | — |
| 4 | シンガポール入国後、パス発行手続き | 1週間 |
申請費用
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 申請手数料 | 105 SGD(約13,125円) |
| 発行手数料 | 225 SGD(約28,125円) |
ONE Passの活用方法
複数企業での就労
ONE Pass最大のメリットは、複数の企業で同時に就労できることです。本業の会社に勤務しながら、別の会社の取締役を務めたり、コンサルティングを行うことが可能です。
| 活動 | ONE Pass | EP |
|---|---|---|
| 本業の勤務 | ○ | ○ |
| 別会社の取締役 | ○(届出のみ) | × |
| フリーランス活動 | ○ | × |
| 自身の会社の設立 | ○(届出のみ) | × |
配偶者の就労
ONE Pass保持者の配偶者は、LOC(Letter of Consent)なしで就労できます。配偶者はDP(Dependent’s Pass)を取得した上で、任意の雇用主の下で就労可能です。これはEP保持者の配偶者にはない大きなメリットです。
起業との組み合わせ
ONE Passを持ちながらシンガポールで会社を設立することが可能です。EntrePassを別途取得する必要がなく、MOMへの届出だけで起業できます。会社設立の詳細はシンガポール法人設立ガイドを参照してください。
更新条件
5年後の更新
ONE Passの更新時には、以下の条件を満たす必要があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 年収基準 | 更新時点で年収 300,000 SGD(約37,500,000円) 以上を維持 |
| シンガポールでの活動 | シンガポールを拠点として実質的な事業活動を行っていること |
| 法令遵守 | シンガポールの法律に違反していないこと |
年収基準を満たせなくなった場合は、EPへの切替が必要です。
日本人がONE Passを取得するケース
典型的な申請者像
| プロフィール | ONE Passの適否 |
|---|---|
| 日本の大手企業の役員(年収3,000万円以上) | ○ 適している |
| スタートアップのCEO(年収2,000万円) | △ 年収基準を満たさない場合あり |
| 著名なアーティスト・アスリート | ○ 要件Cで申請可能 |
| 大学教授・研究者 | ○ 要件Cで申請可能 |
| 上場企業の駐在員(年収1,500万円) | × 年収基準不足 |
税務上の考慮
ONE Pass保持者はシンガポールの税務上の居住者として、シンガポール源泉所得に課税されます。日本との租税条約により二重課税は回避できます。詳細は日本・シンガポール租税条約ガイドを参照してください。
シンガポールの所得税率は最大24%(2026年度、課税所得 1,000,000 SGD(約125,000,000円) 超)で、日本の最高税率(45%+住民税10%)と比較して大幅に低くなっています。
日本人が知っておくべき注意点
家族帯同のメリット
ONE Passの家族帯同条件はEPよりも有利です。
| 家族 | ONE Passの条件 | EPの条件 |
|---|---|---|
| 配偶者(DP) | 就労可能(LOC不要) | 月給6,000 SGD以上でDP取得、就労にはLOC必要 |
| 子供(DP) | 21歳未満の未婚の子供 | 月給6,000 SGD以上 |
| 両親(LTVP) | 月給15,000 SGD以上 | 月給15,000 SGD以上 |
PR申請への影響
ONE Pass保持者もPR(永住権)を申請できます。高所得であること自体がPR審査で有利に働きます。シンガポールPR完全ガイドを参照してください。
よくある質問(FAQ)
Q1: ONE Passは個人で申請できますか、それとも雇用主が必要ですか?
個人で申請可能です。雇用主のスポンサーは必須ではなく、自身で直接MOMに申請できます。ただし、シンガポールでの事業活動計画を示す必要があります。
Q2: 年収 300,000 SGD(約37,500,000円) にはボーナスや株式報酬も含まれますか?
固定月給ベースで 30,000 SGD(約3,750,000円) 以上が基準です。変動報酬(ボーナス、ストックオプション等)は含まれません。ただし、基本給に組み込まれている固定手当は含められる場合があります。
Q3: ONE PassからEPに切り替えることはできますか?
はい、ONE Passの要件を満たせなくなった場合(年収が下がったなど)、EPに切り替えることが可能です。その場合はCOMPASSの評価を受ける必要があります。
Q4: ONE Passで不動産は購入できますか?
ONE Pass保持者は外国人として不動産を購入できます。ただし、ABSD(追加印紙税)60%が適用されるため、非常に高額な追加コストが発生します。PR取得後は5%に軽減されます。不動産投資ガイドを参照してください。
Q5: ONE Passの審査で重視されるポイントは何ですか?
MOMは公式には審査基準を詳細に開示していませんが、年収基準に加えて、シンガポール経済への貢献度(雇用創出、知識移転、ネットワーク構築など)が重視されると言われています。国際的な企業での経営経験や著名な実績があると有利です。
まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと
自分でできること:
- MOMオンラインポータルでの申請
- 必要書類の収集
- 年収要件の確認
専門家に相談すべきこと:
ONE Passはシンガポールがグローバル人材を誘致するために設計した最上位の就労パスです。生活費や教育環境もあわせて検討してください。
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