シンガポールのEP(Employment Pass)・S Pass・ONE Passの承認率とCOMPASS制度の影響を最新データで解説。コンサル経由90-95%の承認率、日本の大学のMOM認定リスト優位性、最低給与要件まで網羅。
この記事のポイント
- シンガポールEPはコンサルタント経由で承認率90〜95%、COMPASS(2023年9月〜)で40ポイント以上が必須
- EP最低月給はSGD 5,600(金融セクターはSGD 6,200)、COMPASS対応で学歴・給与・多様性が評価される
- ONE Passは2024年に約3,000件発行、うち500件が新規入国、月給SGD 30,000以上が要件
- 日本の大学はMOM認定トップティアリストに多数含まれ、日本人はCOMPASSで有利
この記事はシンガポール人材省(MOM)公式情報(2026年3月23日確認)に基づいています。
EP(Employment Pass)の承認率とCOMPASSの影響
Employment Pass(EP)はシンガポールで専門職・管理職として働くための主要な就労パスです。
承認率の実態
EPの承認率はMOMから公式に公表されていませんが、業界の実績データに基づくと以下の傾向があります。
| 申請方法 | 推定承認率 | 備考 |
|---|---|---|
| コンサルタント経由 | 90〜95% | 書類最適化により高承認率 |
| 自社申請(企業直接) | やや低い | COMPASS対応の不備が原因 |
COMPASS(Complementarity Assessment Framework)の仕組み
2023年9月に導入されたCOMPASSは、EP申請を4つの基準で評価するポイント制フレームワークです。
| 評価基準 | 配点 | 評価内容 |
|---|---|---|
| C1: 給与水準 | 0/10/20点 | 同業種・同年齢の給与分布と比較 |
| C2: 学歴 | 0/10/20点 | トップティア大学卒で加点 |
| C3: 企業の多様性 | 0/10/20点 | 同一国籍の社員比率が低いほど加点 |
| C4: 戦略的経済優先度 | 0/10/20点 | Skills Bonus、Strategic Economic Priorities Bonus |
合計40ポイント以上で合格となります。各基準で0ポイント(基準未達)、10ポイント(基準達成)、20ポイント(優秀)のいずれかが付与されます。
EPの最低給与要件
| 対象 | 最低月給 |
|---|---|
| 一般業種 | 5,600 SGD(約694,875円) |
| 金融セクター | 6,200 SGD(約769,326円) |
この最低給与は年齢・経験によって上がります。例えば、40代の経験者であればSGD 10,000以上が求められるケースもあります。
COMPASS導入による変化
COMPASS導入前後で、以下の変化が見られます。
- 書類の増加: 学歴証明、企業の国籍構成データなど追加書類が必要に
- ポイント計算の事前確認: MOMのSelf-Assessment Tool(SAT)で事前にポイントを確認可能
- 多様性の重視: 特定国籍の社員が多い企業は、C3で減点される可能性
詳しくはシンガポールEP完全ガイドをご参照ください。
ONE Pass(Overseas Networks & Expertise Pass)の発行実績
ONE Passはシンガポール政府が2023年に導入した最上位の就労パスで、世界トップクラスの人材を誘致するための制度です。
発行データ(2024年)
- 総発行数: 約3,000件
- 新規入国者: 約500件(全体の約1/6)
- 既存EP保有者からの切り替え: 約2,500件
ONE Passの要件
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| 月給 | 30,000 SGD(約3,722,547円) 以上 |
| 対象者 | トップ人材・著名な実績保有者 |
| 有効期間 | 5年間 |
| 特典 | 配偶者の就労許可、COMPASSの適用免除 |
ONE Passの特徴は、COMPASSの評価が免除されることです。SGD 30,000以上の月給を提示できる場合、学歴や企業の多様性に関係なく承認される可能性があります。
日本人のONE Pass取得
月給SGD 30,000(年収360,000 SGD(約44,670,564円) )は非常に高い基準ですが、金融・テクノロジー・経営者層では達成可能な水準です。日本企業のシンガポール地域統括会社の経営幹部クラスが主なターゲットとなります。
詳しくはシンガポールONE Passガイドをご参照ください。
S Passの概要
S Passは中堅技術職向けの就労パスで、EPよりも給与要件が低い代わりに、企業ごとの発行枠(クォータ制)が設けられています。
S Passの要件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最低月給 | 3,150 SGD(約390,867円) |
| 学歴 | ディプロマ(専門学校卒)以上 |
| クォータ | 企業の総従業員数に対する比率制限 |
| 外国人雇用税(Levy) | 企業が毎月支払う |
S Passは日本人がシンガポールで技術職・中堅管理職として働く際に利用されるケースがありますが、EPへの切り替えを目指す人が多い傾向です。
日本人がシンガポールで有利な理由
MOM認定トップティア大学
日本の以下の大学はMOMのトップティアリストに含まれています(一部)。
- 東京大学、京都大学、大阪大学
- 東京工業大学、名古屋大学
- 東北大学、九州大学、北海道大学
これらの大学を卒業していれば、COMPASSのC2(学歴)で満点(20ポイント)を獲得でき、40ポイント到達が大幅に容易になります。
日本企業のプレゼンス
シンガポールには約800社の日系企業が進出しており、日本人の就労ビザ申請の実績が豊富です。企業スポンサーとしての信頼度も高く、EP申請の承認にプラスに働きます。
給与水準のマッチ
シンガポールの日系企業(金融・商社・メーカー)の駐在員給与はSGD 8,000〜15,000程度が一般的で、EPの最低給与要件を十分に上回っています。
日本人が知っておくべき注意点
COMPASSのC3(多様性)に注意
日系企業で日本人社員が多い場合、C3(企業の多様性)で減点される可能性があります。対策として、他の基準(給与・学歴)で十分なポイントを確保することが重要です。
ビザの種類による使い分け
| 目的 | 推奨ビザ | 最低給与 | 承認の難易度 |
|---|---|---|---|
| 専門職・管理職 | EP | 5,600 SGD(約694,875円) | 中(COMPASS対応が鍵) |
| 中堅技術職 | S Pass | 3,150 SGD(約390,867円) | 中(クォータ制あり) |
| トップ人材 | ONE Pass | 30,000 SGD(約3,722,547円) | 高(給与要件が高い) |
| 起業家 | EntrePass | — | 高(事業計画の審査) |
よくある質問(FAQ)
上記のFAQセクション(frontmatter内)に加え、以下の追加情報もご参照ください。
EP申請でコンサルタントを使うべきですか?
COMPASS導入後は、ポイント計算や書類最適化の専門知識が重要になっています。特に初めてシンガポールで就労する場合は、MOM対応の経験があるコンサルタントの利用が推奨されます。コンサルタント経由の承認率90〜95%というデータがこれを裏付けています。
EPからONE Passへの切り替えは可能ですか?
はい、可能です。実際に2024年のONE Pass発行数3,000件のうち約2,500件が既存EP保有者からの切り替えです。月給がSGD 30,000以上に到達した時点で切り替え申請ができます。
まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと
自分でできること
- MOMのSelf-Assessment Tool(SAT)でCOMPASSポイントの事前確認
- トップティア大学リストで自分の出身大学が含まれるか確認
- 給与水準の市場調査(Glassdoor、JobStreet等)
専門家に相談すべきこと
- COMPASSのポイント最適化(特にC3多様性で減点リスクがある場合)
- EP申請の書類作成と提出(コンサルタント経由が推奨)
- ONE Pass申請の戦略立案(月給SGD 30,000以上の交渉含む)