インドネシア セカンドホームビザ(E33)完全ガイド2026|5〜10年長期滞在の条件・費用・申請手順
ASEAN-JP編集部
この記事のポイント
- インドネシアのセカンドホームビザ(E33)は、最長5〜10年の長期滞在が可能な非就労ビザ
- 財務要件は2つから選択:インドネシア国営銀行への130,000 USD(約20,366,593円) 預金、または1,000,000 USD(約156,666,100円) 以上の不動産購入
- 入国後90日以内に預金証明または不動産購入証明を移民局に提出する必要がある
- 3年間の滞在後、**ITAP(永住許可)**への切替申請が可能
📌 この記事はインドネシア入国管理局(Ditjen Imigrasi)の公式情報(2026年3月確認)に基づいています。
セカンドホームビザ(E33)とは
セカンドホームビザ(Visa Rumah Kedua)は、2021年のオムニバス法(雇用創出法 / UU Cipta Kerja)に基づき、2022年10月25日の移民局回状で実務詳細が定められた長期滞在ビザです。従来のシニア滞在ビザを発展させる形で同年12月末から施行されています。ビザコードはE33で、一定の財務要件を満たした外国人とその家族が、スポンサーなしでインドネシアに5〜10年間滞在できます。
バリ島やジャカルタへの長期滞在を希望する投資家・リタイア層向けに設計されており、従来のKITAS(1年更新)と異なり、長期間の更新手続き不要が最大の特徴です。
制度の法的根拠
| 法令 | 内容 |
|---|---|
| UU No. 11/2020(オムニバス法) | 外国人の長期滞在制度を包括的に改正 |
| PP No. 48/2021(政府規則) | ビザ・滞在許可の詳細規定 |
| 移民局回状 No. IMI-0740.GR.01.01/2022 | セカンドホームビザの実務運用規定 |
他のビザとの違い
| 項目 | セカンドホームビザ(E33) | リタイアメントKITAS | ゴールデンビザ |
|---|---|---|---|
| 年齢制限 | なし(18歳以上) | 55歳以上 | なし |
| 最長滞在 | 5〜10年 | 5年(1年×5回更新) | 5〜10年 |
| 財務要件 | USD 130,000預金 or USD 1M不動産 | 月額USD 1,500年金収入 | USD 2.5M〜投資 |
| スポンサー | 不要 | 必要 | 不要 |
| 更新頻度 | なし(期間満了まで有効) | 毎年更新 | なし |
| 就労 | 不可 | 不可 | 可(条件付き) |
申請条件・要件
基本要件
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 対象者 | 18歳以上の外国人(国籍制限なし) |
| パスポート有効期限 | 残存期間36か月(3年)以上 |
| 犯罪歴 | なし(犯罪歴証明書は不要だが、入国禁止リストに該当しないこと) |
| 申請場所 | インドネシア国外から申請(国内からの切替不可) |
財務要件(2つから選択)
オプション1:銀行預金
- インドネシア国営銀行(BNI、BRI、Mandiri)にUSD 130,000(約130,000 USD(約20,366,593円) )以上を預金
- 預金はビザ有効期間中、維持し続ける必要がある
- 申請時はコミットメントレター(預金誓約書)を提出し、入国後90日以内に預金証明書を移民局に提出
オプション2:不動産購入
- インドネシア国内でアパートメント/フラット(マンション)を**Hak Pakai(使用権)**で購入
- 購入価格がUSD 1,000,000(約1,000,000 USD(約156,666,100円) )以上
- 入国後90日以内に購入証明を移民局に提出
⚠️ 重要: インドネシアでは外国人の土地所有(Hak Milik)は認められていません。不動産を選択する場合は**Hak Pakai(使用権)**での取得となります。
申請手順
Step 1:必要書類の準備(日本国内)
以下の書類を用意します:
- パスポートのコピー(残存期間36か月以上)
- カラー証明写真(4cm × 6cm、白背景)
- 職務経歴書(CV)
- 渡航計画書(Travel Itinerary)
- コミットメントレター(預金または不動産購入の誓約書)
Step 2:オンライン申請
インドネシア移民局のオンラインビザ承認システムで申請します:
- visa-online.imigrasi.go.id にアクセス
- アカウント作成・ログイン
- ビザタイプ「E33 — Second Home Visa」を選択
- 必要書類をアップロード
- 申請料を支払い
Step 3:ビザ承認・入国
- 移民局からビザ承認(Telex Visa)が発行される
- インドネシアに入国
- 入国審査でパスポートにスタンプ・写真撮影
- **ITAS(一時滞在許可証)**が発行される
Step 4:90日以内の義務履行
入国後90日以内に以下を完了する必要があります:
- 預金オプション:国営銀行でUSD 130,000を預金 → 預金証明書を移民局に提出
- 不動産オプション:不動産購入完了 → 購入証明書を移民局に提出
⚠️ 90日以内に証明を提出できない場合、ビザが取り消される可能性があります。
Step 5:警察届出(STM)
入国後、管轄の警察署で外国人登録(STM: Surat Tanda Melapor)を行います。
費用の内訳
| 費目 | 5年ビザ | 10年ビザ | 備考 |
|---|---|---|---|
| ビザ申請料(政府手数料) | 12,000,000 IDR(約108,348円) | 18,500,000 IDR(約167,036円) | オンライン決済 |
| ITAS発行料 | 7,000,000 IDR(約63,203円) 〜 | 7,000,000 IDR(約63,203円) 〜 | 入国後に支払い |
| 数次再入国許可(MERP) | 3,500,000 IDR(約31,602円) 〜6,000,000 IDR(約54,174円) | 同左 | 複数回出入国する場合 |
| 預金(維持必要) | 130,000 USD(約20,366,593円) | 同左 | ビザ期間中引出不可 |
| または不動産購入 | 1,000,000 USD(約156,666,100円) 〜 | 同左 | Hak Pakai権 |
| 不動産購入時の税金 | 物件価格の約5%(BPHTB) + 11%(VAT) | 同左 | 不動産オプション選択時のみ |
| エージェント手数料(任意) | 2,000 USD(約313,332円) 〜5,000 USD(約783,330円) | 同左 | 申請代行を依頼する場合 |
📌 上記のビザ申請料・ITAS発行料は2025年時点の情報です。インドネシア移民局の公式サイト(imigrasi.go.id)で最新の料金をご確認ください。
家族の帯同
セカンドホームビザの大きなメリットの1つは、家族も同じビザで滞在できる点です。
帯同可能な家族
- 配偶者
- 子供(18歳未満)
- 両親
家族のビザ申請は、主申請者のビザ承認後に行います。家族は追加の預金・不動産購入要件は不要ですが、各自の申請料・ITAS発行料は必要です。
ITAP(永住許可)への切替
セカンドホームビザで3年間インドネシアに居住した後、**ITAP(Izin Tinggal Tetap / 永住許可)**への切替申請が可能です。
ITAP切替の条件
- セカンドホームビザで3年以上の継続居住
- 預金または不動産の維持継続
- 犯罪歴なし
- インドネシア語の基本的な理解(面接あり)
ITAPは永住権に相当し、更新手続きが大幅に簡素化されます。
日本人が注意すべきポイント
1. 就労禁止
セカンドホームビザではインドネシア国内での就労は認められていません。リモートワーク(日本企業からの業務委託等)については明確な規定がないため、就労が必要な場合は就労ビザ(KITAS)の取得を検討してください。
2. 預金の拘束
USD 130,000の預金はビザ有効期間中、引き出すことができません。生活費とは別に確保する必要があります。
3. 不動産のHak Pakai制限
外国人はインドネシアで土地を所有できません(Hak Milik不可)。不動産オプションを選ぶ場合、**Hak Pakai(使用権)**での取得となり、使用権の期限(通常25〜30年、延長可)に注意が必要です。
4. 日本の税務上の注意
日本の税法上、海外に1年以上滞在する場合は「非居住者」となりますが、日本国内の資産に対する所得税や相続税の申告義務は残る場合があります。出国前に税理士に相談することを推奨します。
5. 国外からの申請が必須
セカンドホームビザはインドネシア国外から申請する必要があります。すでにインドネシアに滞在中の場合、一度出国してから申請する必要があります。
6. インドネシア税務居住者リスク(183日ルール)
インドネシアに年間183日以上滞在すると、インドネシアの税務居住者と見なされる可能性があります。税務居住者になると、全世界所得に対するインドネシアの所得税申告義務が発生します。ただし、日本とインドネシアの間には租税条約があり、二重課税の回避が可能です。長期滞在を計画する場合は、日本・インドネシア双方の税理士に事前に相談してください。
7. 預金の投資利用禁止
USD 130,000の預金は投資目的には使用できません。預金を投資に転用した場合、ビザの自動取り消しにつながる可能性があります。あくまでも「滞在のための保証金」として維持する必要があります。
日本人がよくやる申請ミス
以下は日本人申請者に多い失敗パターンです:
- 90日期限の見落とし — 入国後の生活立ち上げに追われ、預金証明の提出期限(90日)を過ぎてしまうケース。入国前に銀行口座開設の予約を取っておくことを推奨
- Hak Milik(所有権)での不動産購入を試みる — 外国人はHak Milikでの土地取得不可。必ずHak Pakai(使用権)またはHGB(建設権)で購入を確認
- 民間銀行への預金 — 預金は国営銀行(BNI・BRI・Mandiri)限定。他の銀行では要件を満たさない
- インドネシア国内からの申請 — 観光ビザで入国中に切替を試みるケースがあるが不可。一度出国が必要
- 家族帯同ビザの同時申請 — 主申請者のビザ承認後に家族を申請する必要があり、同時申請はできない
他の選択肢との比較
| 項目 | セカンドホームビザ(E33) | マレーシア MM2H | タイ LTRビザ | フィリピン SRRV |
|---|---|---|---|---|
| 最長滞在 | 5〜10年 | 5年(更新可) | 10年 | 永住 |
| 財務要件 | USD 130,000預金 | RM 1,000,000定期預金〜 | USD 80,000年収 or USD 1M投資 | USD 20,000〜50,000預金 |
| 年齢制限 | なし | なし | なし | 35歳以上 |
| 就労可否 | 不可 | 不可 | 可(条件付き) | 不可 |
| 永住権切替 | 3年後可 | 不可 | 不可 | SRRV自体が永住権 |
| 物価水準 | 安い(月15〜25万円) | 中程度(月20〜35万円) | 中程度(月20〜30万円) | 安い(月12〜20万円) |
よくある質問(FAQ)
Q1: セカンドホームビザで仕事はできますか?
いいえ、セカンドホームビザ(E33)はインドネシア国内での就労を認めていません。ただし、インドネシア国内の企業に雇用される場合は別途就労許可の取得により就労が可能になるケースもあります。投資活動やビジネスへの出資は認められています。
Q2: 預金はいつまでに行う必要がありますか?
申請時にはコミットメントレター(誓約書)の提出で足ります。実際の預金は入国後90日以内に行い、証明書を移民局に提出する必要があります。
Q3: 預金を途中で引き出せますか?
ビザ有効期間中は預金を維持する必要があります。引き出した場合、ビザが取り消される可能性があります。
Q4: バリ島以外でも利用できますか?
はい。セカンドホームビザはインドネシア全土で有効です。バリ島、ジャカルタ、ジョグジャカルタ、ロンボクなど、どの地域でも滞在できます。
Q5: 家族は何人まで帯同できますか?
配偶者、18歳未満の子供、両親が帯同可能です。人数の上限は明示されていませんが、各家族メンバーの申請料・ITAS発行料が必要です。
Q6: 日本のパスポートの残存期間が3年未満の場合は?
パスポートの残存期間が36か月(3年)以上必要です。残存期間が不足する場合は、先にパスポートを更新してから申請してください。
Q7: ビザ期間満了後はどうなりますか?
ビザ期間満了後は再申請が必要です。ただし、3年以上の居住実績がある場合はITAP(永住許可)への切替を検討できます。
まとめ
✅ 自分でできること
- オンラインでのビザ申請(visa-online.imigrasi.go.id)
- 必要書類の準備(パスポート、CV、写真)
- インドネシア国営銀行での口座開設・預金
- 警察届出(STM)
🤝 専門家に相談すべきこと
- 不動産購入(Hak Pakai権の法的確認、物件選定)
- 日本の税務処理(非居住者届出、相続税対策)
- ITAP(永住許可)への切替手続き
- 企業設立・投資活動を行う場合の許可取得