この記事のポイント

📌 この記事はインドネシア入国管理局(Ditjen Imigrasi)の公式情報(2026年3月確認)に基づいています。

インドネシア退職者ビザとは

インドネシアは、温暖な気候と物価の安さで世界中の退職者に人気の移住先です。特にバリ島は「退職者の楽園」として知られています。

インドネシア政府は退職者向けに2つのビザ制度を設けています。

リタイアメントKITAS(Kartu Izin Tinggal Terbatas) は、55歳以上の退職者を対象とした限定滞在許可カードです。「社会文化」目的のKITASとして発行され、1年間有効で年次更新が可能です。5年間のKITAS更新後、条件を満たせばKITAP(永住許可)への切り替えも可能です。

第2の故郷ビザ(Visa Rumah Kedua / E33G) は、2022年9月に導入された新しい長期滞在ビザです。年齢制限がなく、インドネシアの銀行にIDR20億(約2,000万円)を預金するか、同等価値の不動産を購入することで、最長10年間の滞在が可能です。

いずれのビザもインドネシア国内での就労は禁止されています。

申請条件・要件

リタイアメントKITAS

項目 条件
年齢 55歳以上
収入要件 月額USD1,500(約24万円)以上の年金収入
銀行口座 インドネシア国内銀行(マンディリ、BCA、BNI等)に口座開設必須
スポンサー 認定リタイアメントサービス代理店(保証人)の確保が必要
医療保険 インドネシアをカバーする有効な医療保険
就労 不可(インドネシア企業での就労・事業活動は厳禁)
有効期間 1年間・年次更新可能(最大5年)
KITAP移行 5年後に永住許可(KITAP)申請可能

第2の故郷ビザ(E33G)

項目 条件
年齢 制限なし
財務要件 IDR20億(約2,000万円)をインドネシア銀行に預金、または同等価値の不動産購入
医療保険 インドネシアをカバーする有効な医療保険
就労 インドネシア企業での就労不可(海外リモートワークは可)
有効期間 5年間・更新で最長10年
家族帯同 可能

申請手順

リタイアメントKITAS の申請フロー

  1. 認定リタイアメントサービス代理店を選定:インドネシア政府認定のスポンサー(リタイアメントサービスエージェント)を見つける。バリ島の場合、リゾートやエクスパット向けサービス会社が代理店を務めることが多い
  2. 必要書類を準備:パスポート(残存18ヶ月以上)、退職証明書・年金証書、銀行残高証明(過去3ヶ月分、月額USD1,500以上の入金記録)、医療保険証明書、無犯罪証明書、証明写真
  3. 代理店経由で入国管理局に申請:スポンサーレターと共に申請書類を提出
  4. 審査・承認:処理期間は約2〜4週間
  5. KITASカード受領:インドネシア国内の入国管理局事務所でKITASカードを受け取る

第2の故郷ビザ(E33G)の申請フロー

  1. インドネシア銀行に預金口座を開設:IDR20億(約USD130,000)を入金、または不動産購入の準備
  2. オンライン申請:Molinaポータル(https://molina.imigrasi.go.id/)経由で申請
  3. 必要書類をアップロード:パスポート、銀行残高証明、医療保険証明、証明写真
  4. 審査・承認:処理期間は約2週間
  5. ビザ受領・入国

費用の内訳

費目 金額 備考
リタイアメントKITAS 申請料 IDR200万(約2万円) 政府手数料
代理店サービス料 USD300〜1,000(約4.7〜15.8万円) 認定代理店への手数料。年次更新時も同程度
KITAS年次更新料 IDR150万(約1.5万円) 政府更新手数料
第2の故郷ビザ 申請料 IDR300万(約3万円) 政府手数料
E33G 年次延長料 IDR200万(約2万円) 滞在許可延長の政府手数料

※ 2026年3月時点。1IDR ≈ 0.0094円で換算。

日本人が注意すべきポイント

日本との制度の違い

日本には退職者向けの長期滞在ビザ制度がありません。そのため、日本人がインドネシアのリタイアメントKITASを申請する際、以下の点に戸惑うことが多いです。

スポンサー制度:日本のビザ制度にはない仕組みです。インドネシアでは認定代理店が「保証人」として必要であり、個人での直接申請はできません。信頼できる代理店を選ぶことが最初の重要ステップです。

年金収入の証明:日本の年金機構から英文の年金証書を取得する必要があります。日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/)に「年金受給証明書(英文)」を請求してください。

住民票の除票:日本を出国する際、海外転出届を出すと住民票が除票されます。これにより国民健康保険の資格を喪失しますが、インドネシアでの医療保険加入が必須のため、切り替えのタイミングに注意が必要です。

税務上の注意:日本の非居住者となった場合でも、日本国内に不動産所得等がある場合は確定申告が必要です。また、日本・インドネシア間には租税条約があり、年金の二重課税を防ぐ仕組みがあります。詳細は税理士にご相談ください。

バリ島の人気退職エリア

エリア 特徴 月額生活費目安
ウブド 芸術・文化の中心地。田園風景。ヨガ・瞑想コミュニティ USD1,200〜2,000
サヌール 落ち着いたビーチエリア。退職者コミュニティが充実 USD1,300〜2,200
セミニャック おしゃれなレストラン・カフェが多い。やや高価 USD1,500〜2,500
ジンバラン 高級リゾートエリア。海鮮レストランが有名 USD1,500〜3,000
ロンボク島 バリより静か・安価。ビーチライフスタイル USD800〜1,500
ジョグジャカルタ 文化都市。物価が非常に安い。芸術家コミュニティ USD700〜1,200

他の選択肢との比較

項目 インドネシア リタイアメントKITAS タイ Non-OA マレーシア MM2H フィリピン SRRV
年齢要件 55歳以上 50歳以上 なし(カテゴリ別) 35歳以上(年金あり)
財務要件 月額USD1,500の年金 THB80万預金(約400万円) USD15万〜100万預金 USD1万〜2万預金
有効期間 1年(最大5年→KITAP) 1年(年次更新) 5〜10年 準永住
就労可否 不可 不可 不可 別途許可要
月額生活費 USD1,500〜2,500 USD1,500〜3,000 USD1,500〜3,000 USD1,000〜1,800

よくある質問(FAQ)

Q1: リタイアメントKITASで働くことはできますか?

いいえ。リタイアメントKITASではインドネシア国内での就労・事業活動は一切禁止されています。違反した場合、ビザの取り消しと国外退去処分の対象となります。ただし、第2の故郷ビザ(E33G)の場合、海外企業へのリモートワークは許容されています。

Q2: 55歳未満でもインドネシアに長期滞在できますか?

はい。第2の故郷ビザ(E33G)には年齢制限がありません。IDR20億(約2,000万円)の預金または不動産購入で、最長10年の滞在が可能です。

Q3: 認定リタイアメントサービス代理店はどうやって見つけますか?

インドネシア入国管理局(Ditjen Imigrasi)に問い合わせるか、バリ島のエクスパットコミュニティで紹介を受けるのが一般的です。日本語対応の代理店もあります。代理店手数料はUSD300〜1,000が相場です。

Q4: 日本の年金を受け取りながらインドネシアに住めますか?

はい。日本の年金はインドネシアの銀行口座に送金可能です。日本年金機構に「海外居住届」を提出し、受取口座を指定してください。日本・インドネシア間の租税条約により、年金の二重課税は原則回避されます。

Q5: 5年後にKITAP(永住許可)に切り替えられますか?

リタイアメントKITASを5年間更新し続け、要件を満たせばKITAP(永住許可)への申請が可能です。ただし、審査基準は厳格で、必ずしも承認されるわけではありません。

Q6: 医療保険はどのようなものが必要ですか?

インドネシア国内をカバーする国際医療保険が必要です。日本の国民健康保険は使えません。バリ島にはBIMC Hospital等の国際基準の病院がありますが、高額な医療費に備えて十分な補償額の保険に加入することを推奨します。

まとめ

✅ 自分でできること

🤝 専門家に相談すべきこと

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※ この記事の情報は2026年3月12日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。