この記事のポイント

📌 この記事はタイ入国管理局(Immigration Bureau)の公式情報(2026年3月確認)に基づいています。

タイ退職者ビザとは

タイは日本人退職者に最も人気のある移住先の一つです。温暖な気候、手頃な生活費、質の高い医療、そして日本人コミュニティの充実が魅力です。バンコクだけでも数万人の日本人が在住しており、日本語が通じる病院や日本食レストランも豊富です。

タイ政府は50歳以上の外国人向けに、Non-Immigrant O-A(退職者ビザ)Non-Immigrant O-X(長期滞在ビザ) の2つの退職者向けビザを提供しています。

申請条件・要件

Non-Immigrant O-A(標準退職者ビザ)

項目 条件
年齢 50歳以上
有効期間 1年間・複数入国可・年次更新可能
財務要件(選択制) ①タイ銀行にTHB80万(約400万円)の預金(申請2ヶ月前から維持)、②月額THB6.5万(約32.5万円)の収入/年金、③預金+月収の組合せでTHB80万/年相当
医療保険 外来THB4万以上/年・入院THB40万以上/年の補償が必須
犯罪歴 無犯罪証明書が必要
就労 不可

Non-Immigrant O-X(長期滞在ビザ)

項目 条件
年齢 50歳以上
有効期間 5年間(延長で最長10年)
財務要件 タイ銀行にTHB300万(約1,500万円)の預金
医療保険 THB16万以上の補償が必要
3年後の引き出し THB150万まで承認済み支出に使用可能
犯罪歴 無犯罪証明書が必要
就労 不可

申請手順

Non-OA(在外タイ大使館で申請)

  1. 在日タイ大使館/総領事館で申請:申請書(TM.86/TM.87)を記入
  2. 必要書類を提出:パスポート(残存18ヶ月以上)、無犯罪証明書、銀行残高証明または年金証明、医療保険証明書、証明写真
  3. 審査:処理期間は約3営業日
  4. ビザ受領:1年間有効の複数入国ビザが発給
  5. タイ入国後:90日ごとに入国管理局に報告(90-day report)
  6. 年次更新:ビザ期限の30日前までにタイ国内の入国管理局で更新手続き

Non-OX

  1. タイ銀行口座にTHB300万を預金
  2. 在外タイ大使館で申請(Non-OAと同様の書類 + 銀行証明)
  3. 5年ビザ受領
  4. 5年後に延長申請(さらに5年、合計10年)

費用の内訳

費目 金額 備考
Non-OA 申請料 THB2,000(約1万円) 在外大使館での申請
Non-OA 年次更新料 THB1,900(約9,500円) タイ国内の入国管理局
Non-OX 申請料 THB10,000(約5万円) 5年ビザ
再入国許可(シングル) THB1,000(約5,000円) 出国・再入国時に必要
再入国許可(マルチ) THB3,800(約1.9万円) 複数回出国する場合
医療保険(年間) THB15,000〜50,000(約7.5〜25万円) 補償内容による

※ 2026年3月時点。1THB ≈ 5円で換算。

日本人が注意すべきポイント

90日レポート(90-Day Report)

タイに滞在する外国人は、90日ごとに入国管理局に居住場所を報告する義務があります。オンライン(https://tm47.immigration.go.th/)でも提出可能ですが、システムが不安定な場合は直接事務所に出向く必要があります。報告を怠るとTHB2,000の罰金が科されます。

再入国許可(Re-entry Permit)

Non-OAビザでタイから出国する際は、事前に再入国許可を取得する必要があります。これを忘れるとビザが失効します。日本への一時帰国が多い方はマルチ再入国許可(THB3,800)を取得しておくことを推奨します。

預金の「シーズニング」要件

Non-OAの預金THB80万は、申請の少なくとも2ヶ月前からタイの銀行口座に入金されている必要があります(いわゆる「シーズニング」要件)。また、ビザ更新時にも残高がTHB80万を下回らないようにする必要があります。引き出しのタイミングに注意してください。

日本の年金との関係

日本の年金をタイの銀行口座に直接送金し、収入証明として使うことが可能です。日本年金機構に海外居住届と受取口座の変更届を提出してください。日本・タイ租税条約により、年金の二重課税は原則回避されます。

他の選択肢との比較

項目 タイ Non-OA タイ Non-OX タイランドプリビレッジ マレーシア MM2H
年齢要件 50歳以上 50歳以上 なし なし
財務要件 THB80万(約400万円) THB300万(約1,500万円) THB90万〜500万(一括) USD15万〜100万
有効期間 1年(年次更新) 5〜10年 5〜20年 5〜10年
更新の手間 年1回 5年後に1回 なし 5年後に1回
就労 不可 不可 不可(別途労働許可要) 不可

よくある質問(FAQ)

Q1: Non-OAビザでタイで働けますか?

いいえ。Non-OAビザは退職者向けであり、いかなる形態の就労も禁止されています。タイで働く場合は別途ワークパーミット(労働許可証)とBビザが必要です。

Q2: 50歳未満ですがタイに長期滞在したいです。どうすればよいですか?

50歳未満の場合、退職者ビザは申請できません。代替として、タイランドプリビレッジカード(旧タイランドエリート・年齢制限なし)、LTRビザ(リモートワーカー向け)、または教育ビザ(EDビザ)が選択肢になります。

Q3: 医療保険は日本の保険でも認められますか?

2019年10月以降、タイ入国管理局はタイ国内で有効な医療保険の加入を義務付けています。日本の国民健康保険は認められません。タイの保険会社またはタイをカバーする国際医療保険に加入する必要があります。

Q4: バンコク以外でおすすめの退職者向けエリアはどこですか?

チェンマイ(北部・涼しい気候・生活費が安い)、パタヤ(海沿い・日本人コミュニティあり)、ホアヒン(王室の保養地・静かなビーチタウン)、プーケット(リゾート・国際色豊か)が人気です。

Q5: ビザの年次更新に失敗するとどうなりますか?

更新条件(預金残高THB80万の維持、医療保険の有効性等)を満たさない場合、更新が却下される可能性があります。その場合、一度出国してから改めて在外大使館で申請し直す必要があります。

まとめ

✅ 自分でできること

🤝 専門家に相談すべきこと

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※ この記事の情報は2026年3月12日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。