📌 この記事の要点
タイ投資委員会(BOI)の投資恩典制度を徹底解説。業種別の法人税免除期間、外国人100%株式保有が認められる条件、申請手続き、BOI認可のメリット・デメリットを網羅します。
この記事のポイント
- BOI認可で最長8年間の法人税免除+5年間の50%減額
- 外国人100%株式保有が可能(通常は49%制限)
- 土地所有、外国人労働者雇用の特別許可も付与
- 申請から認可まで約3〜4ヶ月
本記事は2026年3月時点のBOI制度に基づいています。BOIの投資恩典は定期的に見直されるため、最新情報を確認してください。
BOI制度の概要
タイ投資委員会(Board of Investment / BOI)は、タイへの外国投資を促進するための政府機関です。BOI認可を受けた企業には、税制面・非税制面の様々な恩典が与えられます。
業種別の恩典カテゴリー
BOIは対象業種をA1〜Bの4カテゴリーに分類し、それぞれ異なるレベルの恩典を提供しています。
| カテゴリー | 法人税免除期間 | 免除上限 | 対象業種例 |
|---|---|---|---|
| A1 | 8年 | 上限なし | バイオテクノロジー、先端材料、EV |
| A2 | 8年 | 投資額に対する上限あり | 電子部品、自動車部品、医療機器 |
| A3 | 5年 | 投資額に対する上限あり | 食品加工、プラスチック製品 |
| A4 | 3年 | 投資額に対する上限あり | 繊維、家具 |
| B | なし | なし | 鉱業、一部サービス業 |
A1カテゴリーの対象業種(2026年版)
- 電気自動車(EV)製造
- 半導体・先端電子部品
- バイオテクノロジー・バイオ医薬品
- 航空宇宙部品
- ロボティクス・AI
- デジタルプラットフォーム
- スマートファーミング
税制面の恩典
法人税関連
- 法人税免除: 最長8年間(カテゴリーによる)
- 法人税50%減額: 免除期間終了後、最長5年間
- 機械・原材料の輸入関税免除: BOI対象事業で使用する場合
- 配当税の免除: 法人税免除期間中の配当には追加課税なし
追加恩典(地域ボーナス)
EEC(東部経済回廊)やSEZ(経済特区)に投資する場合、追加恩典があります:
| 立地 | 追加恩典 |
|---|---|
| EEC(チョンブリ、ラヨーン、チャチュンサオ) | 法人税免除+2〜3年延長 |
| SEZ(国境地域) | 法人税免除+3年延長、法人税50%減額+5年 |
| 科学技術パーク | 法人税免除+2年延長 |
非税制面の恩典
- 外国人100%株式保有: 外国人事業法の規制から免除
- 土地所有: 外国人でもBOI対象事業用の土地を所有可能
- 外国人労働者の雇用許可: ワークパーミットの迅速な取得
- 外貨の自由な送金: 利益、配当、ロイヤリティの海外送金に制限なし
申請手続きの流れ
| ステップ | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| 1. 事前相談 | BOIオフィスでの相談 | 随時 |
| 2. 申請書類の準備 | 事業計画、財務予測等 | 2〜4週間 |
| 3. 申請書提出 | BOIへの正式申請 | — |
| 4. 審査 | BOIによる書類・面談審査 | 60〜90営業日 |
| 5. 承認レター | BOI委員会での承認 | — |
| 6. 認可証発行 | 条件の確定、認可証の発行 | 承認後6ヶ月以内 |
投資額の要件
| カテゴリー | 最低投資額(土地・運転資金除く) |
|---|---|
| 製造業 | 1,000,000 THB(約4,845,400円) 以上 |
| サービス業 | 1,000,000 THB(約4,845,400円) 以上 |
| ソフトウェア開発 | 資本金要件は緩和される場合あり |
日本人が知っておくべき注意点
BOI認可と通常設立の比較
BOI認可を受けずにタイで法人を設立する場合、外国人の持株比率は原則49%以下に制限されます。タイ人パートナーの必要性や、名義貸しのリスクを考慮すると、BOI認可のメリットは大きいです。
報告義務
BOI認可企業は半年ごとの進捗報告、年次の事業報告が必要です。恩典条件を満たしていない場合、認可が取り消される可能性があります。
Smart Visaとの連携
BOI認可を受けたハイテク産業で働く場合、タイSmart Visaの取得が容易になります。
他の国との比較
| 制度 | タイBOI | マレーシアPioneer | シンガポールEDB | フィリピンPEZA |
|---|---|---|---|---|
| 法人税免除 | 最長8年 | 最長10年(70%減額) | 最長15年 | 4年ITH |
| 外国人100%出資 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能(条件あり) |
| 申請期間 | 3〜4ヶ月 | 4〜6ヶ月 | 3〜6ヶ月 | 3〜4ヶ月 |
詳細はASEAN税制比較2026をご覧ください。
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まとめ
タイBOIの投資恩典は、特にハイテク産業やEEC地域への投資で大きなメリットがあります。法人税免除に加え、外国人100%株式保有が可能になる点は、タイでの事業展開を検討する日本企業にとって最も重要なポイントです。申請には事業計画の入念な準備が必要ですので、早めにBOIオフィスへの相談を開始しましょう。
※ この記事の情報は2026年3月23日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。