マレーシアSSTとは
マレーシアでは2018年9月から、売上税(Sales Tax)とサービス税(Service Tax)を統合したSST(Sale & Service Tax)制度が導入されています。2015〜2018年に運用されたGST(消費税)の後継制度にあたります。
SSTは事業者が消費者から徴収し、政府に納付する間接税です。登録事業者には定期的な申告・納税が義務付けられています。
SST税率一覧
| 税の種類 | 税率 | 対象 |
|---|---|---|
| 売上税(Sales Tax) | 5% | 食品・一部日用品など |
| 売上税(Sales Tax) | 10% | 一般製造品・輸入品 |
| サービス税(Service Tax) | 8% | 飲食・宿泊・専門サービスなど |
※2024年3月よりサービス税は6%→8%に引き上げ。事業計画への影響に注意。
登録義務の条件(閾値)
SSTの登録義務が発生するのは、以下の条件を満たした場合です:
- 年間売上がRM500,000(約1,600万円)超の製造業者・輸入業者 → 売上税登録必須
- 年間売上がRM500,000(約1,600万円)超の特定サービス業者 → サービス税登録必須
- 登録後は2ヶ月ごとに申告・納付が必要
閾値を下回る事業者は任意登録も可能ですが、未登録のまま閾値を超えると罰則の対象になります。
オンライン登録・申告の手順
SSTの登録・申告はすべてMySSTポータル(mysst.customs.gov.my)からオンラインで完結します。
- MySSTポータルにアクセス
- 「Register」から事業者情報・事業登録番号(SSM番号)を入力
- 売上税はSchedule A/B/C、サービス税はSchedule Bを選択
- 承認後、2ヶ月ごとの申告期限(末日から30日以内)にオンライン申告・支払い
日本の消費税との対比
日本の制度と並べると、SSTの特徴がよくわかります:
| 項目 | 日本の消費税 | マレーシアSST |
|---|---|---|
| 税率 | 一律10%(軽減8%) | 品目別5%・10%、サービス8% |
| 課税対象 | ほぼ全取引 | 特定製造業・特定サービスのみ |
| 登録義務の閾値 | 課税売上1,000万円超 | 年間売上RM500,000(約1,600万円)超 |
| 申告周期 | 年1〜2回(課税期間による) | 2ヶ月ごと |
| インボイス制度 | 2023年〜適格請求書 | SST登録番号の請求書記載 |
| 仕入税額控除 | あり(インボイス方式) | なし(売上税・サービス税は非累積型) |
最大の違いは「仕入税額控除がない」点。 日本のインボイス制度のような「払った消費税を取り戻す」仕組みがないため、BtoBビジネスでのコスト設計が重要です。
また、日本では全業種・全取引に消費税がかかりますが、マレーシアSSTは製造業・輸入業・特定サービス業のみが対象。ITサービスやコンサルなど対象外の業種では、SSTを意識しなくてよいケースもあります。
日本人起業家が注意すべきポイント
✅ ラブアン法人はSSTが原則免除
ラブアン島に設立されたラブアン法人(Labuan Company)は、マレーシア本土向けの事業でない限りSSTの課税対象外です。オフショア取引・国際ビジネスにはSSTが適用されません。ただし、マレーシア国内向けサービス提供が加わった場合は登録義務が発生します。
⚠️ 日本の消費税との大きな違い
日本の消費税はすべての取引に一律10%かかりますが、マレーシアのSSTは業種・品目ごとに税率が異なる複線構造です。取引相手や業種によって課税・非課税が変わるため、適切な分類が必要です。
📋 請求書への明記が必要
登録事業者は請求書にSST登録番号・税額を記載する義務があります。日本人経営者がローカル法人(Sdn Bhd)を設立している場合は、会計担当者への周知が重要です。
まとめ・次のアクション
- マレーシアで法人を設立したら、年間売上RM50万超でSST登録が必要
- サービス税は2024年から8%(以前は6%)に変更済み
- ラブアン法人ならSSTを気にせず国際ビジネスが可能
- 詳細・登録はMySSTポータルから
ラブアン法人の活用や節税戦略については、専門エージェントへの相談がおすすめです。
この記事はマレーシア税関局MySSTポータルの公式情報を基に作成しています。税率・制度は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。