この記事のポイント

この記事は2026年3月時点のシンガポール人材省(MOM)の公式情報に基づいています。最新情報はMOM公式サイトで必ずご確認ください。


Employment Pass(EP)とは

Employment Pass(EP)は、シンガポールで専門職・管理職・経営幹部として就労する外国人向けの就労許可証です。シンガポールの就労ビザの中で最も一般的であり、日本人駐在員や現地採用者の多くがこのパスを取得しています。

EPの有効期間は初回が最長2年、更新時は最長3年です。


EP申請の基本条件

最低月額給与要件

対象者最低月額給与
一般セクター5,600 SGD(約697,038円
金融セクター6,200 SGD(約771,720円
経験年数に応じた加算年齢・経験に応じて段階的に上昇

給与要件は年齢とともに上昇します。例えば、40代半ばの申請者の場合、一般セクターでも10,700 SGD(約1,331,840円 以上の月給が求められる場合があります。MOMの「Employment Pass Self-Assessment Tool(SAT)」で事前に確認できます。

その他の基本条件


COMPASS制度の詳細

COMPASSとは

COMPASS(Complementarity Assessment Framework)は、2023年9月に導入されたポイント制の評価フレームワークです。EP申請者はCOMPASSの4つの基本要素で評価され、合計40ポイント以上を獲得する必要があります。

評価基準

各要素について、基準を上回れば20ポイント、基準を満たせば10ポイント、基準以下は0ポイントが付与されます。

評価要素内容20ポイント10ポイント0ポイント
C1: 給与同セクター・年齢層の現地給与との比較90パーセンタイル以上65パーセンタイル以上65パーセンタイル未満
C2: 学歴学位・出身大学の評価世界トップ大学学位保持者学位なし
C3: 国籍多様性企業内の同一国籍者の割合割合が低い中程度割合が高い
C4: 現地雇用支援企業のPMET(専門職・管理職等)における現地人比率比率が高い中程度比率が低い

ボーナスポイント(各10ポイント)

基本要素に加え、以下の条件に該当すればボーナスポイントを獲得できます。

COMPASS免除対象

以下の場合はCOMPASS審査が免除されます。


申請手順

ステップ1: 雇用主による事前準備

ステップ2: オンライン申請の提出

ステップ3: 審査(3〜8週間)

ステップ4: EP発行手続き


処理期間の目安

ステップ所要期間
MyCareersFuture求人掲載14日間(必須)
書類準備1〜2週間
MOM審査3〜8週間(大半は3週間以内)
IPA発行〜EP取得1〜2週間
合計約6〜12週間

家族帯同(Dependant’s Pass: DP)

EP保持者は、月額固定給与が6,000 SGD(約746,826円 以上であれば、配偶者と21歳未満の子どものDependant’s Pass(DP)を申請できます。

DPの主なルール

DP申請の費用


日本人がEP申請で注意すべき点

COMPASS C3(国籍多様性)への影響

シンガポールには多くの日本企業が進出しており、日本人社員の割合が高い企業ではC3のスコアが低くなる可能性があります。新たに日本人を採用する場合、他の要素で十分なポイントを確保する戦略が必要です。

学歴の認証

日本の大学の学位はMOMに認められていますが、学位証明書の英文翻訳が必要です。MOMが追加で学歴の真正性確認(verification)を行う場合があり、その際は数週間の追加期間が発生します。

更新時の注意

EP更新時にもCOMPASS基準が適用されます。更新時点での給与要件は初回申請時より引き上げられている可能性があるため、更新の6ヶ月前から条件を確認しておくことを推奨します。


よくある質問(FAQ)

Q1: EPの申請は自分でできますか、それとも会社を通じてですか?

EPの申請主体は雇用主(または認定エージェント)です。個人で直接申請することはできません。起業目的の場合はEntrePassという別のパスを検討してください。

Q2: EP申請が却下された場合、再申請は可能ですか?

可能です。却下理由を分析し、給与の引き上げ、職位の変更、追加書類の提出などで条件を改善した上で再申請できます。却下から再申請までに待機期間はありません。

Q3: EPとS Passの違いは何ですか?

EPは専門職・管理職向け(最低月給5,600 SGD(約697,038円 )、S Passは中程度のスキルレベルの職種向け(最低月給3,150 SGD(約392,084円 )です。S Passには企業ごとの発行枠(クオータ)と外国人雇用税が課されますが、EPにはこれらの制限がありません。

Q4: COMPASSのスコアが足りない場合の対策は?

給与の引き上げ(C1改善)、スキルボーナス対象職種への該当確認、企業の国籍多様性の向上(C3改善)が主な対策です。MOMの自己評価ツールで事前にシミュレーションし、足りない要素を特定することが重要です。

Q5: EPからPermanent Resident(PR)への切り替えは可能ですか?

可能です。EP保持者はシンガポールPRに申請できます。一般的にはEP取得後2年以上の滞在実績があると承認率が高まるとされています。申請はICA(移民検問庁)のe-PRシステムから行います。


まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと

自分でできること:

専門家に相談すべきこと:

シンガポールのEP制度はCOMPASS導入により透明性が高まりましたが、同時に申請の戦略性が求められるようになりました。事前のスコアシミュレーションと十分な書類準備が、スムーズな取得の鍵です。

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※ この記事の情報は2026年3月21日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。