この記事のポイント

シンガポールの銀行口座は、EP(Employment Pass)保持者であればオンラインで最短即日開設可能です。DBS・OCBC・UOBの地場3大銀行に加え、HSBCなどの外資銀行も外国人口座に対応しています。一方、就労ビザなしの外国人は2020年以降、口座開設が大幅に制限されています。各銀行の公式情報に基づき、口座タイプ・金利・開設条件を比較します。

シンガポール4大銀行の口座比較

DBS銀行(シンガポール最大手)

口座タイプ 通貨 最低残高 金利 特徴
DBS Multiplier SGD SGD 3,000 最大4.1% p.a. 給与振込・カード利用で金利UP
DBS Multi-Currency 12通貨 SGD 1,000 外貨預金・リアルタイム為替

最低残高を下回ると月SGD 5(約600円)の手数料が発生します。EP保持者はDBSアプリ(digibank)からオンライン申請可能で、処理期間は約3日です。

必要書類(EP保持者): パスポート、EPカード、シンガポール住所証明、勤務先情報

OCBC銀行

口座タイプ 通貨 最低残高 金利 特徴
OCBC 360 SGD SGD 3,000 最大7.65% p.a. 複数条件達成で高金利
OCBC Global Savings Multi 10通貨対応・Wise連携

OCBC 360は給与振込・保険・投資など複数の条件を満たすことで最大7.65%の金利が得られる点が最大の魅力です。最低残高不足時の手数料はSGD 2と4行中最安です。

特筆すべき点: Singpass MyInfoを使えば書類不要で即日開設可能です。処理期間は最短1日。

UOB(ユナイテッドオーバーシーズバンク)

口座タイプ 通貨 最低残高 金利 特徴
UOB One SGD SGD 1,000 最大7.8% p.a. ASEAN全域でバンキング

UOBはASEAN全域(マレーシア・タイ・インドネシア・ベトナム)でバンキングサービスを展開しており、ASEAN域内で事業を行う起業家に適しています。最低残高SGD 1,000は4行中最低で、始めやすい口座です。

HSBCシンガポール

口座タイプ 通貨 最低残高 金利 特徴
Everyday Global 11通貨 SGD 2,000 グローバルバンキング
Premier SGD SGD 200,000 プライオリティサービス

HSBCの強みはグローバルネットワークです。日本・香港・英国などの既存HSBC口座保持者は手続きが大幅に簡略化されます。また、HSBC Premier保持者は就労ビザなしでもシンガポールで口座開設が可能な場合があります(資産SGD 200,000以上が条件)。

EP保持者の口座開設ステップ

EP(Employment Pass)保持者は最もスムーズに口座開設できます。

ステップ1:Singpass登録

Singpassはシンガポール政府のデジタルID基盤です。FIN(外国人登録番号)取得後に登録可能で、口座開設をはじめ、各種行政手続きが大幅に簡略化されます。

ステップ2:銀行選択

ニーズに合わせて選択してください。

ステップ3:オンライン申請

4行ともEP保持者向けにオンライン申請を受け付けています。OCBC はSingpass MyInfoを使えば書類不要で即日開設可能です。

ステップ4:初回入金

口座開設後、最低残高以上の初回入金を行います。

就労ビザなしの外国人の選択肢

2020年以降、シンガポールでは就労ビザなしの外国人の口座開設が大幅に制限されています。

選択肢 条件 備考
HSBC Premier 海外資産SGD 200,000以上 グローバルPremier保持者
ネオバンク(Wise・Revolut) 身分証のみ フル機能の銀行口座ではない
GrabPay Singapore 電子決済のみ

観光ビザや短期滞在では原則として4大銀行の口座開設はできません。

マレーシアの銀行との比較

ASEAN域内で銀行口座を検討している日本人向けに、シンガポールとマレーシアの主要ポイントを比較します。

比較項目 シンガポール マレーシア
口座開設の容易さ EP保持者は即日可能 長期ビザが必要・来店必須
預金金利(普通預金) 最大7.8% 最大4%
通貨 SGD(安定) MYR(変動幅あり)
就労ビザなし 原則不可 原則不可
日本語サポート ほぼなし HSBC等一部対応
ASEAN展開 UOBが強み CIMBが強み

マレーシアの銀行口座については「マレーシア銀行口座開設完全ガイド」をご覧ください。

日本人が知っておくべき注意点

国外財産調書

シンガポールの銀行口座に5,000万円超の資産がある場合、日本の税務居住者は「国外財産調書」の提出義務があります。未提出の場合、加算税が課される可能性があります。

CRS(共通報告基準)

シンガポールはCRS参加国であり、日本の税務居住者の口座情報は日本の国税庁に自動的に通知されます。シンガポールの口座を日本の確定申告で申告しないと、後日指摘されるリスクがあります。

送金コスト

日本からシンガポールへの送金はWiseやRevolutを使えばコストを大幅に抑えられます。従来の銀行送金(SWIFT)では1回あたり3,000〜5,000円の手数料がかかりますが、Wiseなら0.5〜1%程度です。

よくある質問(FAQ)

Q1: EP取得前にシンガポールの銀行口座を開設できますか?

原則として不可です。Singpass登録にはFIN(外国人登録番号)が必要で、これはEPやS Pass等の発給後に付与されます。例外はHSBC Premierで、海外の既存Premier口座からの移管は就労ビザなしでも対応可能な場合があります。

Q2: どの銀行が日本人に一番おすすめですか?

EP保持者であればOCBC 360が金利・手数料のバランスで優れています。ASEAN域内で事業を展開するならUOB、グローバルに資産を管理するならHSBCが適しています。

Q3: シンガポールの銀行口座でJPYを保有できますか?

DBS Multi-CurrencyやHSBC Everyday Globalは日本円を含むマルチカレンシーに対応しています。OCBC Global Savings Accountも10通貨対応です。

Q4: 口座維持費はかかりますか?

最低残高を維持すれば口座維持費は無料です。下回った場合はSGD 2〜5/月の手数料が発生します。最低残高はUOB OneのSGD 1,000が最安です。

Q5: シンガポールの銀行口座から日本に送金する最も安い方法は?

WiseまたはRevolutを経由するのが最安です。シンガポール口座からWiseのSGD口座に送金し、そこからJPYに変換して日本の口座に送る方法が一般的です。

まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと

自分でできること

銀行に直接相談すべきこと

税理士に相談すべきこと

2026年3月時点の情報です。金利・手数料は市場環境により変動します。最新情報は各銀行の公式サイトでご確認ください。

シンガポール 銀行口座 金融 DBS OCBC
※ この記事の情報は2026年3月13日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。