ACRAとは:シンガポール法人設立の「入り口」

ACRA(Accounting and Corporate Regulatory Authority/会計企業規制庁) は、シンガポール政府の公式機関であり、以下の3つを一元的に規制・管理する国家機関です。

  1. ビジネスエンティティ(事業体) ── 会社・パートナーシップ・個人事業の登録・管理
  2. 公認会計士(Public Accountants) ── 資格認定・監督
  3. コーポレートサービスプロバイダー ── 会社設立代行業者の認可・監督

日本でいえば「法務省(商業登記)+金融庁(会計士規制)+行政書士・司法書士制度の監督官庁」を一つの機関がカバーしているイメージです。

シンガポールで法人を設立・運営するすべての起業家・経営者にとって、ACRAは避けて通れない「公式の窓口」です。


主要機能・提供サービス(具体的な数字・条件)

ACRAが提供する主要サービスは以下の通りです(公式サイト情報に基づく)。

オンラインポータル「Bizfile」

システムメンテナンス(2026年予定の例)

情報更新タイムライン(公式確認済み)

更新内容 日付
最新ニュース(ウェブサイトリデザインプレビュー等) 2025年2月26日
Bizfile新機能リリース情報 2026年3月6日
Business Profile API新規公開 2025年11月18日
BizFinxプレップツール最新版リリース 2024年12月31日
XBRL関連アップデート 2025年12月8日

登録・申請の手順(Bizfileを使った基本フロー)

シンガポールで事業体を登録する際の基本的な流れは以下の通りです。

STEP 1:Bizfile(bizfile.acra.gov.sg)にアクセス
         ↓
STEP 2:SingPass(シンガポール政府ID)またはCorpPassでログイン
         ↓
STEP 3:事業体の種類を選択
        (Private Limited Company / Sole Proprietorship / Partnership 等)
         ↓
STEP 4:必要情報を入力
        (会社名・事業内容・登録住所・取締役情報・株主情報 等)
         ↓
STEP 5:必要書類をアップロード・申請料を支払い
         ↓
STEP 6:承認通知を受領(通常1〜3営業日程度)
         ↓
STEP 7:ビジネスプロファイル(登記簿謄本相当)をBizfileからダウンロード

補足:外国人(日本人含む)が取締役に就任する場合、シンガポール居住者の取締役を最低1名置く要件があります。この点はコーポレートサービスプロバイダー(ACRA認可業者)を通じて対応するケースが多いです。


日本との制度比較:株式会社・合同会社との対比

日本の法人設立制度(法務省・国税庁情報)と比較した場合の主要な違いを整理します。

法人の種類・対応関係

シンガポール(ACRA) 日本(法務省) 主な特徴の違い
Private Limited Company (Pte. Ltd.) 株式会社(KK) 最低資本金:シンガポールはSGD 1〜、日本は1円〜(実務上は異なる)
Limited Liability Partnership (LLP) 合同会社(LLC) 有限責任・構成員課税の選択など
Sole Proprietorship 個人事業主 有限責任なし・手続き最小
Partnership 合名会社・合資会社 無限責任リスクあり

設立手続きの比較

比較項目 シンガポール(ACRA) 日本(法務省+国税庁)
登記窓口 ACRAのみ(一元化) 法務局(登記)+税務署(法人設立届出)の複数窓口
主な手続き方法 Bizfileオンライン完結 法務局窓口またはオンライン登記(一部)
税務届出期限 別途IRAS(内国歳入庁)への届出 法人設立の日から2ヶ月以内に税務署へ法人設立届出書を提出(国税庁規定)
会社名規制 ACRAで事前確認・予約可能 法務省規定により記号・符号の使用ルールあり(平成14年改正以降、ローマ字・アラビア数字等も使用可)

税務届出について(日本・参考)

国税庁の公式情報によると、日本で普通法人(一般社団法人等の非営利法人を除く)を設立した場合:

シンガポールの場合、ACRAへの会社登録とは別に、IRAS(Inland Revenue Authority of Singapore) への税務登録手続きが必要な点は日本と共通しています。


日本人が注意すべきポイント

① SingPassの取得が前提

Bizfileを直接利用するには、シンガポール政府のデジタルIDであるSingPassが必要です。日本人(非居住者)が個人でSingPassを取得するには一定の条件(就労パス保有等)が必要なため、ACRA認可のコーポレートサービスプロバイダーを経由して手続きを行うのが一般的です。

② コーポレートサービスプロバイダーはACRA認可業者を使う

ACRA公式サイトでは「Corporate Service Providers」セクションが設けられており、認可を受けた業者リストが確認できます。未認可の業者を利用するのは法的リスクがあります。

③ Bizfileの「ビジネスプロファイル」は有料

登記情報(ビジネスプロファイル)の取得・閲覧は「Buy Business Information」セクションから有償で行います。日本の登記情報提供サービスと同様の有料モデルです。

④ スキャム(詐欺)への注意

ACRA公式サイトは以下を明示しています:

「政府職員が电话で金銭の送金や銀行ログイン情報の開示を求めることは絶対にない」 不審な場合は24時間対応のScamShield Helpline(1799)に電話。

日本人がシンガポールで会社設立を依頼する際、「ACRA担当者」を名乗る詐欺に注意が必要です。

⑤ システム停止スケジュールを事前確認

2026年3月の例のように、定期メンテナンスによるeサービス停止が予定されています。登記や申請の締め切りがある場合は、必ずACRA公式サイトでメンテナンス情報を事前確認してください。

⑥ XBRL財務報告義務

シンガポールのPte. Ltd.は、一定規模以上の場合XBRL形式での財務諸表提出がACRAに義務付けられています。日本の上場企業向けXBRL提出とは異なり、非上場の中小法人にも適用されるケースがある点は日本人経営者が見落としやすいポイントです。ACRAはBizFinx Preparation Tool(最新版:2024年12月31日リリース)を無償提供しています。


まとめ・次のアクション

【ブロック1: 自分でできるステップチェックリスト】


【ブロック2: 自分では調べにくい・状況によって異なること】

以下は、個人の状況によって答えが変わるため、一般的な記事では断言できない論点です:

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【ブロック3: 次に読むべき関連記事テーマ】

この記事を読んだ方には、以下のテーマも合わせてご確認ください:

シンガポール法人を設立した後に必ず直面するのがIRASへの税務登録とGST(消費税相当)の管理です。日本の消費税制度との違いを詳しく解説した記事も近日公開予定です。また、シンガポールで就労・居住しながら経営する場合に必要なEntrePassやEP(就労ビザ)の取得要件についても、日本の在留資格制度との比較を含めて整理した記事が参考になります。


情報源:本記事はACRA公式ウェブサイト(acra.gov.sg)および法務省・国税庁の公式情報に基づいて作成しています。制度は変更される場合があるため、手続き前に必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。


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この記事はシンガポール会計企業規制庁(ACRA)の公式情報を基に作成しています。法律・税制は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。

シンガポール 法人設立 Pte Ltd 会社登記
※ この記事の情報は2026年3月15日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。