フィリピンPEZA(経済特区庁)の投資優遇制度を徹底解説。経済特区の種類、税制優遇(ITH・5%特別税)、IT-BPO企業の進出手順、日系企業の活用事例を紹介します。
この記事のポイント
- PEZA登録で最長8年間の法人税免除(ITH)+5%特別税
- IT-BPO企業のフィリピン進出に最も活用される制度
- 輸入機材・原材料の関税免除
- 外国人の就労許可がワンストップで迅速処理
本記事は2026年3月時点の制度に基づいています。CREATE法による変更点も反映しています。
PEZAの概要
PEZA(Philippine Economic Zone Authority)は、フィリピン政府が経済特区への投資を促進するために設立した機関です。製造業、IT-BPO、観光、農業加工など幅広い業種の企業が登録しています。
経済特区の種類
| 種類 | 対象業種 | 主な立地 |
|---|---|---|
| 製造特区 | 輸出向け製造業 | スービック、バタンガス、セブ |
| ITパーク/ITセンター | IT-BPO、ソフトウェア開発 | マカティ、BGC、セブITパーク |
| 観光特区 | リゾート、観光施設 | ボラカイ、パラワン |
| 農業特区 | 農産物加工 | ミンダナオ、ビサヤ |
| 医療特区 | 医療ツーリズム | マニラ首都圏 |
税制優遇の詳細
ITH(Income Tax Holiday)
法人税が免除される期間です。
| 業種 | ITH期間 |
|---|---|
| 製造業(パイオニア) | 6〜8年 |
| 製造業(非パイオニア) | 4〜6年 |
| IT-BPO | 4〜7年 |
| 農業加工 | 6〜8年 |
5%特別税(ITH終了後)
ITH期間終了後は、総所得の5%の特別税(GIT: Gross Income Tax)のみが課税されます。これは法人税(25%)、地方税、不動産税の代わりとなります。
CREATE法の改正により、一部の優遇条件は段階的に変更されています。最新条件はFISCO(Fiscal Incentives Review Board)に確認してください。
その他の税制優遇
- 輸入機材・原材料の関税免除
- 対フィリピン国内売上のVAT 0%
- 外国人従業員のビザ手数料の減免
- ロイヤリティ支払いの送金自由
IT-BPO企業のPEZA活用
フィリピンのIT-BPO産業は世界最大級で、約150万人が従事しています。日系企業もコールセンター、ソフトウェア開発、データ入力などでPEZAを活用しています。
IT-BPO企業の進出手順
- ITパーク/ITセンターの選定: セブITパーク、BGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)、マカティなど
- PEZA登録申請: 事業計画書、財務予測、雇用計画を提出
- オフィスの確保: PEZA登録ゾーン内にオフィスを賃借
- 事業開始: 登録証発行後、事業活動を開始
費用目安
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| PEZA登録申請手数料 | 20,000 PHP(約0円) 〜50,000 PHP(約0円) |
| オフィス賃料(マカティ、月額/㎡) | 800 PHP(約0円) 〜1,500 PHP(約0円) |
| 法人設立費用 | 100,000 PHP(約0円) 〜300,000 PHP(約0円) |
| 弁護士・会計士費用 | 200,000 PHP(約0円) 〜500,000 PHP(約0円) |
日本人が知っておくべき注意点
輸出義務
製造特区に登録した企業は、原則として生産量の70%以上を輸出する義務があります。国内販売比率が高い場合はPEZA以外の選択肢も検討しましょう。
WFH(Work From Home)規制
COVID-19以降、PEZA登録企業のWFH比率に制限が設けられています。2026年現在、従業員の一定割合はPEZAゾーン内のオフィスで勤務する必要があります。
日本のCFC税制
フィリピンPEZA企業が日本のCFC税制の対象となる可能性があります。実質的な事業活動が行われていることを証明できる体制を整えましょう。
他の国との比較
ASEAN各国の投資優遇制度の比較はASEAN税制比較2026やタイBOI投資恩典をご覧ください。
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まとめ
PEZAはフィリピンへの投資、特にIT-BPO分野での進出を検討する日系企業にとって最も活用される制度です。法人税免除に加え、関税免除や就労ビザの迅速化など、多面的なメリットがあります。CREATE法による変更点を踏まえ、最新条件をPEZAに確認した上で進出計画を立てましょう。