この記事のポイント

本記事はPEZA、FIRB(財政優遇審査委員会)の公式情報(2026年3月確認)に基づいています。

PEZAとは

PEZA(Philippine Economic Zone Authority / フィリピン経済特区庁)は、1995年のSpecial Economic Zone Act(RA 7916)に基づき設立された政府機関です。経済特区内の投資促進と管理を担い、登録企業に税制・関税・ビザ等の優遇措置を提供します。

2026年現在、全国に400以上のPEZA認定経済特区があり、4,500社以上が登録しています。特にIT-BPO産業はPEZA登録企業が業界の中核を担っています。

投資優遇措置

税制優遇

優遇内容期間/内容備考
Income Tax Holiday(ITH)4〜7年間の法人税免税業種・立地による
特別法人税(5% GIE)ITH後、総収入の5%通常の法人税25%に代替
VAT免税域内取引は0%税率輸出取引に適用
地方税免除ITH期間中免除市区町村税等

CREATE法による変更点

2021年のCREATE法(RA 11534)により、PEZA優遇制度に以下の変更が加えられました。

関税・輸入優遇

優遇内容詳細
資本設備の関税免除製造設備・事務機器等
原材料の関税免除輸出向け製品の原材料
消耗品の関税免除事業運営に直接使用するもの

ビザ・就労許可の優遇

PEZA登録企業の外国人従業員は、通常の9(g)ビザ+AEP手続きの代わりにPEZAワンストップ窓口でビザと就労許可を一括取得できます。処理期間は通常の半分以下です。

対象業種

IT-BPO(情報技術・ビジネスプロセスアウトソーシング)

フィリピンのIT-BPO産業は世界第2位の規模で、PEZA登録のIT企業が業界の大半を占めます。

対象サービス具体例
コールセンターカスタマーサポート、テクニカルサポート
バックオフィス経理、人事、データ入力
ソフトウェア開発アプリ開発、Webシステム
KPO(知識プロセス)法務リサーチ、金融分析

製造業

輸出向け製造業はPEZA登録のメリットが大きい業種です。電子部品、半導体、自動車部品、食品加工等が対象です。

その他の対象業種

PEZA登録の手順

Step 1: 事前相談(1〜2週間)

PEZAのOne-Stop Shop Center(マニラ本部またはオンライン)で、事業計画の適格性を確認します。

Step 2: 申請書類の提出

必要書類:

Step 3: PEZA審査・承認(2〜4週間)

PEZAボードの審査を経て、登録承認書(Certificate of Registration)が発行されます。

Step 4: FIRB確認(CREATE法適用企業)

CREATE法に基づく優遇措置を受ける場合、FIRB(Fiscal Incentives Review Board)の確認が追加で必要です。

登録費用

費目金額
申請料10,000 PHP(約30,142円
登録料30,000 PHP(約90,426円
年間管理費50,000 PHP(約150,710円

主要な経済特区

特区名所在地特徴
Makati Science & Technology HubマカティIT-BPO集積地
Bonifacio Global Cityタギッグ複合開発エリア
Cebu IT Parkセブセブ最大のIT拠点
Clark Freeport Zoneパンパンガ製造業・物流拠点
Subic Bay Freeport Zoneザンバレス物流・製造業
Laguna Technoparkラグナ製造業集積地

日本人が知っておくべき注意点

PEZA登録 vs 非登録の比較

項目PEZA登録企業非登録企業
法人税0%(ITH)→ 5% GIE25%
関税免除通常課税
ビザ取得ワンストップ(高速)BI + DOLE(通常)
立地制限経済特区内に限定制限なし
国内販売30%まで(一部例外)制限なし

国内販売の制限

PEZA登録企業は原則として輸出志向であることが求められ、国内販売は総売上の30%までに制限される場合があります。国内市場向けビジネスが主な場合は、BOI登録の方が適切な場合があります。

CREATE法との整合性

CREATE法により、新規登録企業の優遇措置はFIRBの個別審査が必要になりました。既存の登録企業も、優遇期間の経過措置が適用されます。

よくある質問(FAQ)

Q1: PEZA登録にはどのくらいの投資額が必要ですか?

明確な最低投資額の規定はありませんが、事業計画の実現可能性が審査されます。IT-BPOの場合、初期投資5,000,000 PHP(約15,071,000円 程度から登録実績があります。

Q2: PEZA登録企業は経済特区の外にオフィスを持てますか?

原則として事業活動はPEZA認定経済特区内で行う必要があります。ただし、IT企業のWork-from-Home(WFH)制度は一部認められています。

Q3: 既存の法人をPEZAに登録できますか?

はい、既存のSEC登録法人をPEZAに追加登録することが可能です。経済特区内への事業所移転が必要です。

Q4: PEZA登録を取り消されるケースはありますか?

雇用計画の未達成、投資コミットメントの不履行、税制優遇の不正利用等がある場合、PEZAは登録を取り消すことができます。取消後は通常の税率が適用されます。

Q5: BOIとPEZAの違いは何ですか?

BOI(投資委員会)は経済特区の立地制限がなく国内販売制限もありませんが、税制優遇はPEZAより限定的です。輸出志向のIT-BPO・製造業はPEZA、国内市場向けビジネスはBOIが適しています。

まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと

自分でできること:

専門家に相談すべきこと:

関連記事:

フィリピン PEZA 経済特区 投資優遇 IT-BPO
※ この記事の情報は2026年3月22日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。