この記事のポイント
- 外国人の口座開設にはACR I-Card(外国人登録証)またはSRRVカードが原則必要
- 主要銀行(BDO、BPI、Metrobank)の最低預入額は2,000 PHP(約6,028円) 〜10,000 PHP(約30,142円)
- デジタルバンク(Tonik、Maya、GCash)はパスポートのみで開設可能なものもある
本記事はBSP(フィリピン中央銀行)の公式情報(2026年3月確認)に基づいています。
口座の種類
ペソ普通預金口座
最も基本的な口座です。給与受取、公共料金支払い、日常の資金管理に使用します。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 最低預入額 | 2,000 PHP(約6,028円) 〜10,000 PHP(約30,142円) |
| 維持残高 | 2,000 PHP(約6,028円) 〜10,000 PHP(約30,142円) |
| 維持残高不足ペナルティ | 月300 PHP(約904円) 程度 |
| 利率 | 年0.10%〜0.25% |
外貨預金口座
USD、JPY、EUR等の外貨建て預金口座です。為替変動のリスクヘッジや、海外送金の受取に便利です。
定期預金(Time Deposit)
高めの利率を得られる預金です。預入期間は30日〜5年で、10,000 PHP(約30,142円) 以上から開設可能です。利率は年1%〜5%(期間・金額による)です。
主要銀行の比較
| 銀行 | 支店数 | ATM数 | 外国人対応 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| BDO Unibank | 1,500+ | 4,800+ | 良好 | 最大手、ATM網が最も広い |
| BPI | 900+ | 3,000+ | 良好 | サービス品質に定評 |
| Metrobank | 950+ | 2,500+ | 良好 | 日本との送金に強い |
| Land Bank | 400+ | 1,800+ | 普通 | 政府系銀行、SRRV預金先 |
| UnionBank | 350+ | 800+ | 良好 | デジタルサービスが充実 |
外国人の口座開設手順
必要書類
| 書類 | 種類 | 備考 |
|---|---|---|
| パスポート | 原本 | 有効期限6ヶ月以上 |
| ビザ/ACR I-Card | 原本 | 9(g)、SRRV等の有効なビザ |
| 居住証明 | 公共料金請求書等 | フィリピンの住所を証明 |
| TIN(税務登録番号) | — | BIRで取得 |
| 雇用証明書 | — | 被雇用者の場合 |
| 証明写真 | 2×2インチ | 2〜3枚 |
手順
- 銀行支店を訪問 — 外国人対応実績のある支店を選ぶ(マカティ、BGC等の支店が推奨)
- 口座開設申請書への記入 — 個人情報、連絡先、就業情報等
- KYC(本人確認)面談 — マネーロンダリング防止のための確認
- 初回預入 — 最低預入額以上を現金またはチェックで入金
- ATMカード・オンラインバンキングの発行 — 通常は即日〜3営業日
開設が難しい場合の代替手段
観光ビザのみの場合、従来の銀行口座開設は困難です。代替として以下を検討してください。
- GCash(Globe系モバイルウォレット)— SIMカードで登録可能
- Maya(旧PayMaya)— フィリピンの電話番号で登録可能
- Tonik Bank — デジタルバンク、パスポートのみで開設可能な場合あり
海外送金
日本からフィリピンへの送金
| 方法 | 手数料 | 着金日数 | 為替レート |
|---|---|---|---|
| 銀行間送金(SWIFT) | 3,000 JPY(約0円) 〜7,500 JPY(約0円) | 2〜5営業日 | 銀行レート(不利) |
| Wise(旧TransferWise) | 送金額の0.5%〜1% | 1〜2営業日 | 実勢レート |
| SBI Remit | 480 JPY(約0円) 〜 | 即日〜1営業日 | やや不利 |
| Western Union | 990 JPY(約0円) 〜 | 即日(現金受取) | やや不利 |
フィリピンから日本への送金
フィリピンからの海外送金にはBSPの規制があり、50,000 USD(約7,974,480円) を超える送金にはBSPの事前承認が必要です。送金時には資金の出所を証明する書類が求められます。
日本人が知っておくべき注意点
FATCA・CRS報告
フィリピンの銀行はCRS(共通報告基準)に基づき、日本の税務当局に口座情報を自動的に報告します。日本の税務申告で海外口座の申告漏れがないよう注意してください。5,000万円超の海外資産は国外財産調書の提出が必要です。
口座の凍結リスク
6ヶ月以上取引がないdormant(休眠)口座は凍結される場合があります。再活性化には支店での手続きが必要です。また、BSPの規制により、5年以上放置された口座の残高は政府に移管される可能性があります。
預金保険
PDIC(Philippine Deposit Insurance Corporation)により、1銀行あたり500,000 PHP(約1,507,100円) までの預金が保護されています。
よくある質問(FAQ)
Q1: 観光ビザでも銀行口座を開設できますか?
一般的には困難です。ほとんどの銀行がACR I-Card(外国人登録証)やSRRVカードなどの長期滞在ビザの提示を求めます。ただし、GCashやMayaなどのモバイルウォレットはパスポートとフィリピンのSIMカードで利用可能です。
Q2: 日本円の口座は開設できますか?
はい、BDO、BPI、Metrobankなどの主要銀行で日本円建ての外貨預金口座が開設可能です。ただし、利率は非常に低く(年0.01%程度)、為替手数料も考慮が必要です。
Q3: ATMの引き出し限度額はいくらですか?
一般的に1回あたり10,000 PHP(約30,142円) 〜20,000 PHP(約60,284円) 、1日あたり50,000 PHP(約150,710円) 〜100,000 PHP(約301,420円) です。銀行・口座種別により異なります。
Q4: オンラインバンキングで海外送金できますか?
一部の銀行(BDO、BPI等)ではオンラインバンキングから海外送金が可能です。ただし、初回は支店での手続きが必要な場合があり、送金限度額も設定されています。
Q5: 口座維持費はかかりますか?
維持残高(2,000 PHP(約6,028円) 〜10,000 PHP(約30,142円) )を下回ると、月300 PHP(約904円) 程度のペナルティが発生します。維持残高以上を保っていれば口座維持費は無料です。
まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと
自分でできること:
- 各銀行のウェブサイトでの口座種類・条件の比較
- GCash/Mayaのモバイルウォレット登録
- Wise等のオンライン送金サービスの利用
専門家に相談すべきこと:
- 法人口座の開設手続き
- 大口送金(50,000 USD(約7,974,480円) 超)のBSP承認手続き
- CRS報告に関連する日本での税務申告
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