この記事のポイント

外国人がマレーシアで不動産を購入するには、最低購入価格(一般にRM100万=約4,000万円)を満たす必要があります。州によって規制が異なり、セランゴール州はRM200万以上が必要です。RPGT(不動産譲渡益税)は保有期間により10〜30%、印紙税は最大4%です。NAPIC(National Property Information Centre)およびLHDN(マレーシア内国歳入庁)の公式情報に基づき、外国人の不動産購入条件と費用を詳しく解説します。

外国人の不動産購入条件

連邦レベルの基本ルール

外国人がマレーシアで住宅用不動産を購入するには、最低購入価格の基準を満たす必要があります。また、マレー人保留地(Tanah Rizab Melayu)や低コスト住宅(RM30万以下)、ブミプトラ枠の物件は購入できません。

州別の最低購入価格

マレーシアでは不動産規制が州ごとに異なるため、物件の所在州のルールを確認することが重要です。

最低購入価格 日本円換算(目安) 備考
クアラルンプール RM 1,000,000 約4,000万円 KLCC/ブキビンタン指定エリアのコンドミニアム
セランゴール RM 2,000,000 約8,000万円 2023年10月に引き上げ
ジョホール(一般) RM 1,000,000 約4,000万円
ジョホール(イスカンダル指定区域) RM 500,000 約2,000万円 Forest City等の指定エリア
ペナン RM 1,000,000 約4,000万円 高層コンドミニアム中心
その他多くの州 RM 1,000,000 約4,000万円 州により異なる

MM2H・PVIP保有者の優遇

MM2H(Malaysia My Second Home)保有者は、一部の州で低い購入価格基準が適用される場合があります。ペナン州やジョホール州では歴史的にRM50万からの購入が可能でしたが、2021年のMM2H改訂後は条件が変わっています。最新情報はMOTAC(マレーシア観光・芸術・文化省)およびIMI(入国管理局)に確認してください。

PVIP(Premium Visa Programme)保有者についても、各州当局に物件購入の優遇措置を確認することを推奨します。

購入禁止カテゴリ

以下の物件は外国人の購入が禁止されています。

不動産にかかる税金・費用

RPGT(不動産譲渡益税 / Real Property Gains Tax)

不動産売却時の譲渡益に対して課税されます。外国人の税率は保有期間により異なります。

保有期間 外国人のRPGT税率
3年以内 30%
4年目 20%
5年目 15%
6年目以降 10%

日本の不動産譲渡所得税(短期39.63%、長期20.315%)と比較すると、6年目以降のマレーシアの税率10%はかなり有利です。

印紙税(Stamp Duty)

不動産の所有権移転(MOT: Memorandum of Transfer)時に累進税率で課税されます。

物件価格の区分 税率
最初のRM 100,000 1%
RM 100,001〜RM 500,000 2%
RM 500,001〜RM 1,000,000 3%
RM 1,000,000超 4%

たとえばRM150万の物件の印紙税は、RM1,000 + RM8,000 + RM15,000 + RM20,000 = RM44,000(約176万円)となります。

その他の費用

費目 目安
弁護士費用(コンベヤンシング) 物件価格の約0.5〜1%
外国人所有課徴金(一部州) 約RM10,000(州・物件価格により異なる)
銀行ローン手数料(利用時) 物件価格の0.5〜1%

不動産購入の5つのステップ

ステップ1:物件の選定と価格交渉

デベロッパーの新築物件か中古物件かを選びます。外国人の最低購入価格をクリアしていることを必ず確認してください。

ステップ2:マレーシアの認可弁護士(ソリシター)を雇用

不動産取引にはマレーシアの弁護士が必要です。日本語対応可能な弁護士事務所も増えています。

ステップ3:売買契約書(SPA)に署名

Sale & Purchase Agreement(SPA)に署名し、通常は物件価格の10%を手付金として支払います。

ステップ4:州政府の外国人所有承認(FIMP)を取得

一部の州・価格帯では、外国人の不動産取得に州政府の承認(Foreign Interest in Malaysian Property)が必要です。承認には通常1〜3ヶ月かかります。

ステップ5:印紙税の支払いと所有権移転(MOT)

印紙税を支払い、所有権移転登記(Memorandum of Transfer)を完了します。

主要エリアの価格帯

NAPICおよびJPPH(不動産評価局)のデータに基づく主要エリアの価格目安です。

エリア 価格帯(1sqft) 日本円換算(1㎡) 特徴
KLCC / ブキビンタン RM 900〜2,500 約36〜100万円 超高層ラグジュアリーコンド
モントキアラ RM 600〜1,200 約24〜48万円 駐在員に人気のエクスパットエリア
ペタリンジャヤ / スバン RM 400〜800 約16〜32万円 郊外の住宅エリア

1 sqft = 約0.093 ㎡なので、1㎡あたりの価格は上記の約10.8倍です。

日本人が知っておくべき注意点

日本の不動産との違い

日本の税務申告

マレーシアの不動産を保有する日本の税務居住者は、日本で「国外財産調書」の提出義務がある場合があります(年末時点で国外財産の合計が5,000万円超の場合)。また、不動産所得がある場合は日本での確定申告が必要です。

為替リスク

RM(リンギット)建ての資産を保有するため、為替変動のリスクがあります。2026年3月時点で1RM ≒ 約40円ですが、歴史的に20〜40円の幅があります。

よくある質問(FAQ)

Q1: 観光ビザでもマレーシアの不動産は買えますか?

はい。観光ビザでも最低購入価格を満たせば購入可能です。ただし、銀行ローンの利用はビザの種類により制限されます。

Q2: 外国人はマレーシアで住宅ローンを組めますか?

一部の銀行で可能ですが、頭金30〜40%が必要で、金利もマレーシア人より高くなる傾向があります。HSBC、Maybank、CIMBなどが外国人向けローンを提供しています。

Q3: MM2H保有者は本当に安く買えますか?

2021年のMM2H改訂以降、条件は州ごとに異なります。以前はペナンやジョホールでRM50万から購入可能でしたが、現在は確認が必要です。最新情報はMOTACに問い合わせてください。

Q4: 購入後に賃貸に出すことはできますか?

はい。賃貸収入には所得税がかかりますが、マレーシアの個人所得税は非居住者で30%、居住者は累進課税(最高30%)です。修繕費・管理費は控除可能です。

Q5: 不動産を売却する際のRPGT以外に注意すべき税金は?

弁護士費用、不動産エージェント手数料(通常2〜3%)が発生します。また、日本の居住者であれば日本でも不動産譲渡所得として申告が必要です。二重課税は外国税額控除で調整できます。

まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと

自分でできること

不動産エージェントに相談すべきこと

弁護士・税理士に相談すべきこと

2026年3月時点の情報です。不動産規制は州政府の方針により頻繁に変更されます。最新情報はNAPICおよび各州の土地事務所にご確認ください。

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※ この記事の情報は2026年3月12日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。