この記事のポイント
- マレーシア観光芸術文化省(MOTAC)の公式情報に基づく最新ガイド
- 2024年改定の4カテゴリー(Platinum・Gold・Silver・Platinum Flexi):初年度費用 RM5,000~RM7,500(16~24万円)+ 定期預金 RM500,000~RM2,000,000(1,600~6,400万円)
- 申請から取得まで約60~90日、10年間の長期滞在が可能
📌 このページはMOTAC公式サイトの情報(2026年3月確認)に基づいています。最新情報は常に公式サイトをご確認ください。
MM2H(Malaysia My 2nd Home)とは
マレーシア観光芸術文化省(MOTAC: Ministry of Tourism, Arts and Culture)が管轄する MM2H(Malaysia My 2nd Home)は、外国人がマレーシアで長期滞在・居住するための更新可能な社会訪問パス(Social Visit Pass)です。
通常、マレーシアへの観光ビザは最長 3ヶ月(シングルエントリー) の滞在が上限ですが、MM2H を取得することで、マルチエントリー・10年間(5年更新も可能)の長期滞在が可能になります。
2002年の開始以来、世界中の富裕層・リタイア層・投資家に人気を集めています。2024年の大幅改定により、申請条件が整理され、4つのカテゴリー体制にリニューアルされました。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄機関 | マレーシア観光芸術文化省(MOTAC) |
| ビザの種類 | 社会訪問パス(Social Visit Pass)・マルチエントリー |
| 有効期間 | 10年(5年単位での更新も可能) |
| 対象者 | 50歳以上(Silver/Gold)、21歳以上(Platinum)、全年齢(Platinum Flexi) |
| 就労 | 原則禁止(例外条件あり) |
| 家族帯同 | 配偶者・子女の帯同可能 |
| 最終確認日 | 2026年3月20日 |
2024年改定:4カテゴリーの概要
MM2Hは 2024年4月1日より、以下の4つのカテゴリーで運用されています。
| カテゴリー | 対象者 | 特徴 |
|---|---|---|
| Platinum | 資産家・高所得者(21歳以上) | 最高額の定期預金・月収要件で、申請料が最低 |
| Gold | 富裕層・中堅投資家(35歳以上) | Platinum よりは低額だが安定した資産要件 |
| Silver | 一般的な長期滞在希望者(50歳以上) | 最も申請者が多い、資産要件が最も低い |
| Platinum Flexi | 全年齢(18歳以上)で柔軟に対応 | 月収要件が高い代わりに、定期預金の最低額が低く設定 |
各カテゴリーの詳細条件・費用
1. Platinum(プラチナ)
対象: 21歳以上の資産家
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 最低月収(海外源泉) | RM40,000(約128万円)/ 月 |
| 定期預金(必須) | RM2,000,000(約6,400万円)/ 10年間ロック |
| 不動産購入(オプション) | なし(購入すれば預金額軽減の場合あり) |
| 申請料 | RM5,000(約16万円)/ 初回 |
| ビザ発給料 | RM500(約1,600円)/ 年 |
| 初年度合計 | RM5,500(約17.6万円)+ 定期預金 RM2,000,000 |
| 有効期間 | 10年(更新可能) |
出典: MOTAC 公式ガイドライン(2026年3月確認)
2. Gold(ゴールド)
対象: 35歳以上の富裕層
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 最低月収(海外源泉) | RM20,000(約64万円)/ 月 |
| 定期預金(必須) | RM1,000,000(約3,200万円)/ 10年間ロック |
| 不動産購入(オプション) | 推奨 RM1,000,000(約3,200万円)以上 |
| 申請料 | RM5,000(約16万円)/ 初回 |
| ビザ発給料 | RM500(約1,600円)/ 年 |
| 初年度合計 | RM5,500(約17.6万円)+ 定期預金 RM1,000,000 |
| 有効期間 | 5年(更新で延長可能) |
出典: MOTAC 公式ガイドライン(2026年3月確認)
3. Silver(シルバー)
対象: 50歳以上、または年金受給者
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 最低月収(海外源泉) | RM10,000(約32万円)/ 月 または 年金証明 |
| 定期預金(必須) | RM500,000(約1,600万円)/ 10年間ロック |
| 不動産購入(オプション) | 推奨 RM600,000(約1,920万円)以上 |
| 申請料 | RM5,000(約16万円)/ 初回 |
| ビザ発給料 | RM500(約1,600円)/ 年 |
| 初年度合計 | RM5,500(約17.6万円)+ 定期預金 RM500,000 |
| 有効期間 | 10年(更新可能) |
出典: MOTAC 公式ガイドライン(2026年3月確認)
日本人に最も人気: Silver カテゴリーは、月額年金だけで要件をクリア可能なため、リタイア層に最適です。
4. Platinum Flexi(プラチナ フレキシ)
対象: 18歳以上(全年齢対応・最も柔軟)
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 最低月収(海外源泉) | RM35,000(約112万円)/ 月 必須 |
| 定期預金(必須) | RM800,000(約2,560万円)/ 10年間ロック |
| 不動産購入(オプション) | なし |
| 申請料 | RM7,500(約24万円)/ 初回(最も高い) |
| ビザ発給料 | RM500(約1,600円)/ 年 |
| 初年度合計 | RM8,000(約25.6万円)+ 定期預金 RM800,000 |
| 有効期間 | 5年(更新可能) |
出典: MOTAC 公式ガイドライン(2026年3月確認)
デジタルノマド向け: Platinum Flexi は、年齢制限がなく、安定した月収があればカテゴリー年齢要件をクリアできるため、若い起業家やフリーランスに適しています。
費用の全容(初年度 + 継続費用)
初年度の費用内訳
| カテゴリー | 申請料 | ビザ料 | 医療保険 | 定期預金 | 初年度合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| Platinum | RM5,000 | RM500 | RM340 | RM2,000,000 | RM2,005,840 |
| Gold | RM5,000 | RM500 | RM340 | RM1,000,000 | RM1,005,840 |
| Silver | RM5,000 | RM500 | RM340 | RM500,000 | RM505,840 |
| Platinum Flexi | RM7,500 | RM500 | RM340 | RM800,000 | RM808,340 |
円換算: 1 RM ≈ 32 円(2026年3月時点)
毎年かかる更新費用
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| ビザ年間更新料 | RM500(約1,600円) |
| 医療保険料 | RM340~(約1,088円~) |
| 合計(毎年) | 約 2,700 円 |
日本での準備費用(別途)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| パスポート更新 | 16,000~20,000 円(6ヶ月以上の残存有効期限が必須) |
| 健康診断書(英文) | 10,000~30,000 円 |
| 書類翻訳・認証 | 20,000~50,000 円(言語数・枚数による) |
| 戸籍謄本・住民票など | 1,000~3,000 円 |
| パスポート配送・手続き | 3,000~10,000 円 |
| 合計 | 約 50,000~110,000 円 |
申請手順(7ステップ)
ステップ1: カテゴリーの選択(1-2日)
MOTAC 公式サイト(https://mm2h.gov.my/guidelines)にアクセスし、自分の資産状況・年齢・収入に合ったカテゴリーを確認します。
チェックリスト:
- 年齢はカテゴリー要件を満たすか?
- 月収要件(または定期預金額)を満たせるか?
- 定期預金として用意できる資金はあるか?
ステップ2: 必要書類の準備(2-4週間)
公式ガイドラインで指定された書類を日本で準備します。認証付き英文翻訳が必須の場合が多いため、早めに着手しましょう。
主な必要書類:
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| パスポート | 6ヶ月以上の残存有効期限が必須。コピー + 原本提示 |
| 健康診断書 | 英文。指定の診断項目あり。認証なし(MOTAC 判断) |
| 無犯罪証明書 | 英文。日本の警察が発行。申請に2-4週間かかる |
| 銀行残高証明書 | マレーシアの銀行の定期預金開設前に、日本の銀行から取得 |
| 月収証明書 | 給与明細、年金証書、あるいは事業所得証明 |
| 不動産資産証明 | 不動産を所有する場合のみ(登記簿謄本の英文翻訳) |
| 戸籍謄本 | 英文翻訳版 |
| パスポート写真 | 4×6 cm、白背景(4-6枚) |
| 申請フォーム | MOTAC サイトからダウンロード(A4用紙) |
翻訳・認証のポイント:
- 公証人役場での認証は必須ではありませんが、本物らしさを高めるため推奨
- 翻訳は英語ネイティブが望ましい(誤訳で却下される事例あり)
- パスポート原本は現地で見せるため、コピーのみ提出
ステップ3: マレーシアの銀行で定期預金を開設(1-2週間)
定期預金開設手続きは、MM2H 申請と並行して進めることもできます。ただし、MOTAC への提出書類に定期預金証明が必要なため、以下の流れが標準的です:
a) 事前審査(MOTAC による「条件付き承認」)
- 必要書類をすべて MOTAC に提出
- 書類審査期間:4-6週間
- 結果:「条件付き承認通知」が届く
b) マレーシアの銀行で定期預金開設
- 条件付き承認通知を持ってマレーシアに入国
- 指定銀行(Maybank、CIMB、Hong Leong など)で定期預金を開設
- 開設に要する日数:3-5営業日
- 定期預金額は 10 年間ロックされる(解約不可)
c) 本承認申請
- 定期預金証明を MOTAC に提出
- 本承認決定:1-2週間
定期預金の注意事項:
- RM500,000~RM2,000,000 の資金が 10 年間マレーシアの銀行にロックされます
- 定期預金の利息は受け取ることができますが、元本は動かせません
- 10 年後、定期預金を解約してもビザは失効します(ただし更新可能)
- MM2H ビザを放棄すれば、定期預金を取り戻すことができます
ステップ4: オンライン申請フォームの記入(1日)
MOTAC 公式サイト(https://mm2h.gov.my/apply)でオンライン申請フォームに入力します。
入力項目:
- 個人情報(氏名・生年月日・国籍)
- パスポート情報
- 資産・月収情報(カテゴリー確認用)
- 滞在予定地
- 申請者の署名(デジタル署名またはスキャン署名)
ステップ5: 書類一式を MOTAC に提出(到着日)
以下の方法で提出できます:
a) 郵送
- MOTAC 本部(クアラルンプール)に発送
- 配送料金:日本から約 3,000~5,000 円
- 到着確認:1週間程度
b) 公認エージェント経由
- 公式サイト掲載の公認エージェント(Agent Portal)を利用
- 手数料:RM 500~1,500(約 1,600~4,800 円)
- 確実性が高い(推奨)
c) マレーシアの MOTAC オフィスに直接持参
- 事前にアポイントメント取得が推奨
ステップ6: 審査・条件付き承認(4-6週間)
MOTAC が書類を審査します。
この期間に発生する可能性:
- 追加書類の要求(メール)
- 面接の呼び出し(重大な疑問がある場合のみ)
- 却下(重大な問題がある場合)
却下の主な理由:
- 資金源が不明確(ロンダリング疑い)
- 提出書類の偽造・改ざん
- 無犯罪証明の不在
- 健康診断結果で重大な疾患(HIV など)
ステップ7: 本承認 → ビザ受領(1-2週間)
条件付き承認通知の条件をクリアしたら、本承認通知が届きます。
その後の手続き:
- マレーシア大使館またはマレーシア入国管理局でビザスタンプを取得
- パスポートに RM500(約1,600円)のビザ貼付
- マレーシア入国後 10 日以内に移民局で登録(MP22 フォーム提出)
- 初回ビザ発給(10 年間有効)
全体期間: 申請~取得まで約 60~90 日
申請時の必須要件の詳細
1. 財政証明
月収要件
各カテゴリーの月収要件は「海外源泉収入」をベースに審査されます。
| カテゴリー | 月収要件 | 証明書類 |
|---|---|---|
| Platinum | RM40,000(約128万円)/月 | 給与明細、銀行通帳、IRS フォーム |
| Gold | RM20,000(約64万円)/月 | 給与明細、年金証書、事業所得証明 |
| Silver | RM10,000(約32万円)/月 または年金 | 年金証書、給与明細、給与振込通帳 |
| Platinum Flexi | RM35,000(約112万円)/月 必須 | 上記同様 |
日本人の場合:
- 給与所得者: 給与明細(直近 6ヶ月)+ 源泉徴収票
- 年金受給者: 年金支給通知書(英文翻訳) + 銀行の入金履歴
- 事業所得者: 確定申告書(直近 3 年分)+ 銀行通帳(月単位の入金確認)
- 投資所得: 証券口座の定期報告書 + 銀行の配当入金確認
定期預金
定期預金は、MM2H 申請の最大の費用要素です。
| カテゴリー | 必須定期預金額 | 10年間のロック期間 | 利息の取扱 |
|---|---|---|---|
| Platinum | RM2,000,000(約6,400万円) | 10年ロック | 利息受取可 |
| Gold | RM1,000,000(約3,200万円) | 10年ロック | 利息受取可 |
| Silver | RM500,000(約1,600万円) | 10年ロック | 利息受取可 |
| Platinum Flexi | RM800,000(約2,560万円) | 10年ロック | 利息受取可 |
定期預金の利率(2026年3月時点):
- マレーシア大手銀行:年 2.5~3.5% 程度
- 例)Silver で RM500,000 を 10 年間:約 RM150,000~175,000(約480~560万円)の利息獲得
重要: 定期預金は MM2H 失効時に返金されますが、元本から「放棄金」が差引かれる場合があります。詳細は銀行に確認してください。
2. 健康要件
英文の健康診断書が必須です。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 検査内容 | 血液検査、尿検査、胸部X線、視力・聴力検査 |
| 除外疾患 | HIV、肺結核、精神疾患(中~重度)、重大な身体障害 |
| 診断医 | 認定医師(英文診断書必須) |
| 有効期限 | 診断後 6ヶ月以内 |
| 費用(日本) | 15,000~40,000 円程度 |
日本でのおすすめ:
- 大学病院の渡航外来
- 検疫所の予防接種外来(同時診察可能)
- 国際医療センター
3. 無犯罪証明書(犯罪経歴証明書)
日本の警察が発行する「犯罪経歴証明書」の英文翻訳版が必須です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行機関 | 警察本部 / 高等警察署 |
| 申請方法 | 郵送、またはオンライン申請(都道府県警によって異なる) |
| 処理日数 | 2~4 週間 |
| 費用 | 700~1,000 円 |
| 英文翻訳 | 公証人で認証(5,000~10,000 円) |
手続きの流れ:
- 住所地の警察署・本部に申請
- 日本語の証明書を取得(郵送で約 2 週間)
- 公証人役場で英文翻訳・認証(1 週間程度)
- MOTAC に提出
メリット・デメリット(正直に)
MM2H のメリット
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 長期滞在の安定性 | 10 年間の確定した滞在可能性。延長・更新も容易 |
| マルチエントリー | 何度でも出入国可能。年間の出国回数に制限なし |
| 不動産購入が容易 | MM2H 保有者は、マレーシアでの不動産購入が簡略化(外国人制限あり) |
| 家族帯同 | 配偶者・22 歳以下の子女を帯同可能。個別申請も可 |
| 医療へのアクセス | マレーシアの医療保険加入義務。国際的な医療水準(東南アジアで高い) |
| 生活コスト | 日本と比較して 40~60% 低い(食費、医療、不動産) |
| 多文化環境 | クアラルンプールは多民族・多言語環境で日本人も多い |
| 定期預金の利息 | 年 2.5~3.5% で 10 年間、約 150~560 万円の利息獲得可能 |
MM2H のデメリット
| デメリット | 詳細 |
|---|---|
| 就労不可 | MM2H は社会訪問パス。就労には別途 Work Permit が必須。リモートワークの扱いは曖昧 |
| 大額の定期預金 | RM500,000~2,000,000(1,600~6,400 万円)が 10 年間ロック。流動性の欠如 |
| 日本の税務義務 | マレーシアに 180 日以上滞在すると、日本の確定申告が複雑化 |
| 住民票の喪失 | 海外転出届を日本に提出すると、日本での住民票がなくなる |
| 国民健康保険の喪失 | 日本の公的医療保険を失う。マレーシアの医療保険に依存 |
| 年金受給への影響 | 日本国籍は維持されるが、老齢基礎年金受給に海外銀行口座が必要 |
| 言語の壁 | マレーシアはマレー語が主。英語は通じるが、行政手続きはマレー語 |
| 政治的リスク | 政権交代、法制度の変更で制度が廃止される可能性(低確率) |
| 親族訪問の手配 | 家族が訪問時、ビザ不要だが滞在3ヶ月を超えると別途申請 |
就労可能性:原則不可 → 例外条件
MM2H は「社会訪問パス」であり、原則として就労は禁止されています。
就労ができない場合
| 活動内容 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 現地での給与所得 | ❌ 禁止 | 労働許可なしでは違法 |
| マレーシア企業への就職 | ❌ 禁止 | Work Permit が別途必須 |
| 自営業・事業開設 | ❌ 禁止 | ビジネスライセンス + Work Permit が必須 |
| フリーランス(現地クライアント) | ❌ 禁止 | マレーシア国内での報酬は違法 |
就労が可能な例外ケース
| ケース | 条件 |
|---|---|
| リモートワーク(日本企業から給与) | 曖昧。マレーシア移民局に事前相談推奨。原則は報告制 |
| 投資所得(配当・利息) | 可能。外国銀行口座の利息は無税。定期預金の利息も受取可 |
| 年金受給 | 可能。日本の年金はマレーシア受け取りでも課税対象外 |
| 不動産賃貸収入 | 可能だが、マレーシアで課税対象。タックスナンバー(TIN)取得が必要 |
| 著作権使用料 | グレーゾーン。事前に税務当局に相談推奨 |
重要: リモートワークで「マレーシアで働く」と見なされるかどうかは、マレーシア移民局の判断に委ねられています。安全性を確保するには、事前に MOTAC に書面で相談することを推奨します。
日本の在留資格との比較表
| 比較項目 | MM2H(マレーシア) | 日本の長期滞在ビザ |
|---|---|---|
| 管轄機関 | MOTAC(観光省) | 入管庁(法務省) |
| ビザの性質 | 社会訪問パス(滞在許可) | 在留資格(活動種類を規定) |
| 就労 | 原則禁止 | 資格により異なる(就労可のものが多い) |
| 対象者 | 富裕層・リタイア層・投資家 | 就労者・留学生・家族滞在者等 |
| 年齢要件 | 18~50 歳以上(カテゴリーによる) | なし(未成年は親権者同意) |
| 資産要件 | あり(RM500,000~2,000,000) | なし |
| 月収要件 | あり(RM10,000~40,000) | あり(就労資格の場合) |
| 期間 | 10 年(更新可能) | 最長 5 年(技術系資格) |
| 更新難易度 | 低い(定期預金継続で自動更新) | 中程度(就労継続の証明が必要) |
| 家族帯同 | 可能(配偶者・子女) | 可能(配偶者・子女) |
| 永住権への道 | なし(MM2H は社会訪問パス) | あり(一定期間経過後申請可) |
| 定期預金/保証金 | あり(RM500,000~2,000,000) | なし |
| 医療保険義務 | あり(年 RM340~) | なし(国保加入が一般的) |
結論: MM2H と日本の在留資格は「目的」が異なります。MM2H は「資産で買う長期滞在」、日本の在留資格は「活動内容に応じた滞在」です。
PVIP(プレミアム永住ビザ)との比較
マレーシアには MM2H 以外に PVIP(Premium Visa) という制度もあります。
| 項目 | MM2H | PVIP |
|---|---|---|
| 正式名称 | Malaysia My 2nd Home | Malaysia Premium Visa |
| 管轄機関 | MOTAC(観光省) | ISN(国家安全保障評議会) |
| 性質 | 社会訪問パス | 在留許可(より高度) |
| 対象者 | 富裕層・リタイア層 | 超富裕層・VIP 企業幹部 |
| 最低投資額 | RM500,000~2,000,000 | RM3,000,000~(より高額) |
| 期間 | 10 年 | 永住権相当(更新なし) |
| 就労 | 不可 | 不可 |
| 申請難易度 | 中程度 | 非常に高い(推薦状必須) |
| 費用(初年度) | 約 17.6 万円 + 定期預金 | 約 30~50 万円 + 投資 |
| 日本人申請数 | 多い | 極少(数十人/年) |
詳細については、マレーシア PVIP プレミアム永住ビザ完全ガイドを参照してください。
他の東南アジア長期滞在制度との比較
MM2H 取得を検討する際、他の東南アジア制度と比較することは重要です。
タイ LTR(Long Term Resident Visa)との比較
| 項目 | MM2H(マレーシア) | LTR(タイ) |
|---|---|---|
| 対象者 | 35~50 歳以上、富裕層 | 35 歳以上、月収/年金ベース |
| 最低資産 | RM500,000~2,000,000 | THB800,000(約3,200万円) |
| 申請料 | RM5,000~7,500 | THB20,000(約6万円) |
| 期間 | 10 年 | 4~20 年(選択可) |
| 就労 | 不可 | 不可(ただし投資ビザ併用で可) |
| 定期預金 | あり(10 年ロック) | あり(流動性あり) |
| 生活コスト | KL:月 3,000~5,000 RM | BKK:月 50,000~100,000 THB |
| 医療水準 | 東南アジア随一 | 高い(BKK に限定) |
| 日本人向けサービス | 充実 | 充実 |
どちらを選ぶ?
- MM2H が向く: 50 歳以上、資産が多い、医療重視
- LTR が向く: 35~45 歳、月単位の年金・給与、期間を選びたい
詳細については、タイ LTR ロングステイビザ完全ガイドを参照してください。
フィリピン SRRV(Special Resident Retiree Visa)との比較
| 項目 | MM2H(マレーシア) | SRRV(フィリピン) |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 50 歳以上(Silver) | 35 歳以上 |
| 最低投資額 | RM500,000~2,000,000 | USD20,000~50,000 |
| 有効期間 | 10 年(更新可) | 生涯有効 |
| 就労 | 不可 | 不可 |
| 医療水準 | 東南アジア上位 | 中程度 |
| 生活コスト | 月 3,000~5,000 RM | 月 1,500~3,000 USD |
| 申請難易度 | 中程度 | 低い |
選択基準:
- MM2H: 長期(10+ 年)、医療重視、資産が十分
- SRRV: 低コスト、柔軟性、親族支援の需要
DE Rantau(デ ランタウ)との比較
DE Rantau はマレーシアのデジタルノマド向けビザです。
| 項目 | MM2H | DE Rantau |
|---|---|---|
| 対象者 | リタイア層・富裕層 | デジタルノマド・フリーランス |
| 年齢制限 | 50 歳以上(Silver) | 18~99 歳(制限なし) |
| 最低資産 | RM500,000~2,000,000 | RM15,000(月額) |
| 期間 | 10 年 | 最長 24 ヶ月 |
| 就労 | 不可 | 可(リモートワーク) |
| 申請料 | RM5,000~7,500 | RM1,000(約3,200円) |
| 更新 | 可能(定期預金継続) | 可能(最大 24 ヶ月) |
| 適性 | 長期定住 | 一時滞在・試住 |
詳細については、DE Rantau ノマドビザ完全ガイドを参照してください。
よくある質問(FAQ)
Q1: MM2H とマレーシアの観光ビザの違いは何ですか?
マレーシアの観光ビザ(シングルエントリー)は最長 3ヶ月 の滞在です。MM2H は 10 年間(またはそれ以上)のマルチエントリー社会訪問パスであり、定期的な出入国も自由です。観光ビザは「短期訪問」、MM2H は「長期居住」を目的としています。
Q2: 50 歳未満でもMM2H を申請できますか?
基本的には Silver は 50 歳以上が要件ですが、以下の方法があります:
- Gold カテゴリー: 35 歳以上で、月収 RM20,000(約64万円)または定期預金 RM1,000,000 があれば申請可能
- Platinum Flexi: 18 歳以上で、月収 RM35,000(約112万円)があれば申請可能
どちらも相応の月収要件があるため、事前にシミュレーションを行いましょう。
Q3: マレーシアで仕事(就労)はできますか?
MM2H ビザだけでは 就労不可 です。ただし、以下の条件で就労許可取得の可能性があります:
- 雇用企業からの Work Permit 申請: マレーシア企業に就職した場合、企業が Labor Department に Work Permit を申請可能
- 自営業の場合: ビジネスライセンス + Work Permit が必須
- リモートワーク: マレーシア移民局に事前相談推奨(扱いが不明確)
詳細はマレーシア労働許可(Work Permit)完全ガイドを参照ください。
Q4: 日本の年金・健康保険・住民票はどうなりますか?
年金
日本国籍を保持していれば、老齢基礎年金はマレーシアで受け取ることができます。ただし:
- 年金支給開始時に日本年金機構に海外受給の届出が必要
- マレーシアの銀行口座が必須
- 課税対象外(日本の非居住者扱い)
健康保険
海外転出届を提出すると、日本の国民健康保険は喪失します。マレーシアの医療保険(MM2H 申請時の医療保険、または民間保険)に加入する必要があります。
住民票
海外転出届を提出すると、日本の住民票は抹消されます。
- メリット: 日本での固定資産税、地方税の対象外になる可能性
- デメリット: 日本の銀行口座更新、キャッシュカード発行が困難
- いつでも戻せる: 日本に帰国時に海外転入届を提出すれば、住民票が復活
詳細は、住所地の市区町村役場にご相談ください。
Q5: 定期預金は何に使えますか?
定期預金(RM500,000~RM2,000,000)は、MM2H 保有期間中、マレーシア国内での消費にのみ使用可能 です。
- 使用可: マレーシアでの不動産購入、車両購入、教育費、医療費
- 使用不可: 日本への送金、海外送金、定期預金の解約・取崩(ビザ失効時まで)
定期預金は 10 年間ロックされ、その間の利息は受け取ることができます(年 2.5~3.5% 程度)。
Q6: 申請が却下される主な理由は何ですか?
| 却下理由 | 頻度 | 回避方法 |
|---|---|---|
| 資金源が不明確 | 高い | 銀行通帳の入金来歴を明確に。複数年の給与・年金履歴を提出 |
| 書類の偽造・改ざん | 高い | 公式書類のみ提出。自作翻訳は避け、公証人翻訳を利用 |
| 無犯罪証明の欠如 | 中程度 | 日本の警察から事前に取得。英文翻訳も準備 |
| 健康診断結果の重大疾患 | 低い | 事前に医師に相談。軽微な疾患なら説明書を付添 |
| 不適切なエージェント利用 | 中程度 | 公式サイト掲載の公認エージェント(Agent Portal)を利用 |
| 家族状況の変化(離婚など) | 低い | 変化があれば速やかに MOTAC に報告 |
却下されたら: MOTAC に却下理由の説明を要求し、改善してから再申請する(通常 6ヶ月後)。
Q7: ファミリー(家族)で申請する場合、個別費用は?
配偶者・22 歳以下の子女を帯同する場合、各自の申請料は別途必要です。
| 家族構成 | 申請料 | ビザ料 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 主申請者のみ | RM5,000 | RM500/年 | 標準 |
| 主申請者 + 配偶者 | RM5,000 × 2 | RM500 × 2 | 配偶者も同一カテゴリー |
| 主申請者 + 子女(22歳以下) | RM5,000 + RM3,000/子 | RM500/子 | 子女は割引あり |
| 主申請者 + 配偶者 + 子女 2 名 | RM5,000 + RM5,000 + RM3,000 × 2 | RM500 × 4 | 合計 RM16,000(約5.1万円) |
定期預金は共有: 家族帯同の場合、定期預金は主申請者の名義で一括管理されます。額は増えません(RM500,000~2,000,000 の範囲内)。
Q8: パスポート失効時や更新時はどうなりますか?
MM2H は パスポートに貼付 されているため、パスポート更新時に新しいパスポートへの移行手続きが必要です。
手続き:
- 日本でパスポート更新を取得
- マレーシア移民局に新旧パスポートを持参
- ビザを新しいパスポートに移転(RM100~200 程度の手数料)
- 約 1 週間で完了
この手続きを怠ると、パスポート失効時に MM2H ビザも失効します。
自分でできること vs エージェント利用すべきこと
✅ 自分でできること
| 手続き | 難易度 | 推定時間 |
|---|---|---|
| カテゴリーの選択 | 易 | 1-2 日 |
| パスポート更新 | 易 | 1-2 週間 |
| 健康診断予約・受診 | 易 | 1-2 週間 |
| 年金証書・給与明細の取得 | 易 | 1-2 日 |
| 書類の英文翻訳 | 中 | 1-2 週間(公証人利用) |
| 無犯罪証明の申請 | 中 | 2-4 週間 |
| オンライン申請フォームの記入 | 中 | 1 日 |
| 郵送による書類提出 | 易 | 到着確認まで 1-2 週間 |
🤝 エージェント利用すべきこと
| 手続き | 推奨理由 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 公認エージェント経由の申請 | 確実性が高い。MOTAC との直接関係あり | RM500-1,500(約1,600-4,800円) |
| 複雑な書類翻訳 | 誤訳で却下される可能性を回避 | 20,000-50,000 円 |
| マレーシアの銀行口座開設サポート | 言語の壁、必要書類の確認 | RM500-1,000(約1,600-3,200円) |
| 税務相談 | 日本との二重課税、定期預金の扱い | 20,000-50,000 円 |
| 不動産購入サポート | MM2H 保有者向けの物件情報、法務 | RM5,000-20,000(約1.6-6.4万円) |
| イミグレーション法務相談 | ビザ延長、家族帯同、法的リスク | 30,000-100,000 円 |
推奨: 初回申請は公認エージェント経由(RM500-1,500)を利用し、その後の更新・延長は自分で対応するのが最もコスト効率的です。
マレーシア移住時の次のステップ
MM2H 取得後、マレーシアでの生活をスムーズに始めるために、以下の記事も参考にしてください。
生活基盤の整備
- マレーシア KL(クアラルンプール)生活費完全ガイド 2026 - 月間生活費の現実的な見積もり
- マレーシア不動産購入ガイド 2026 - MM2H 保有者向けの不動産購入プロセス
- マレーシア銀行口座開設ガイド - 定期預金開設、日本からの送金
税務・法務
- マレーシア個人所得税ガイド 2026 - 日本との二重課税回避、年金・給与の課税
- マレーシア税務申告ガイド 2026 - 年度申告(年1回)の手続き
医療・教育
- マレーシア医療・病院ガイド 2026 - 医療保険、病院選定、医療コスト
- マレーシア国際学校ガイド 2026 - 子女の教育オプション(国際校・ローカル校)
他の滞在選択肢
- マレーシア DE Rantau デジタルノマドビザ完全ガイド 2026 - 短期滞在の選択肢(最長 24ヶ月)
- マレーシア PVIP プレミアム永住ビザガイド 2026 - より高額な永住権オプション
まとめ:MM2H は「資産で買う 10 年間の安定滞在」
MM2H は、日本の在留資格とは異なり、「資産があれば長期滞在できる」 という明確なプログラムです。
最後のチェックリスト
申請前に、以下をすべて確認してください:
- 年齢・資産: 自分に合ったカテゴリー(Platinum/Gold/Silver/Platinum Flexi)を確定した
- 財源証明: 月収証明書(給与明細、年金証書、事業所得証明)を用意できる
- 定期預金: RM500,000~2,000,000 を 10 年間ロックできる資金がある
- 書類: パスポート、健康診断書、無犯罪証明書を準備している(または準備予定)
- 翻訳: 公証人による英文翻訳・認証の手配ができる
- 日本の手続き: 海外転出届、年金支給地の届け出を市区町村に相談済み
- エージェント: 公認エージェント(Agent Portal)を確認した
- 税務: 日本の税理士・会計士に MM2H 取得後の税務影響を相談した
すべての項目にチェックが入れば、申請開始のタイミングです。
申請にかかる総費用(概算)
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 日本での準備 | 50,000~110,000 円(パスポート・健診・翻訳) |
| MM2H 申請料・ビザ料 | 17,600~25,600 円(RM5,000~7,500 + RM500) |
| 定期預金 | 1,600~6,400 万円(10 年間ロック) |
| エージェント手数料(オプション) | 1,600~4,800 円(RM500~1,500) |
| マレーシア銀行口座開設 | 1,600~3,200 円(RM500~1,000) |
| 初年度合計 | 約 50~120 万円(定期預金を除く) |
定期預金は 10 年後に返金されるため、実質的な「コスト」ではなく「ロック資産」です。ただし、定期預金の利息(年 2.5~3.5%)は毎年受け取ることができます。
公式リソース・相談窓口
MOTAC 公式サイト
- MM2H プログラム: https://mm2h.gov.my
- ガイドライン: https://mm2h.gov.my/guidelines
- オンライン申請: https://mm2h.gov.my/apply
- 公認エージェント一覧: https://mm2h.gov.my/approved-agents
マレーシア大使館(在日本)
- 住所: 東京都港区赤坂 5-2-20
- 電話: 03-3586-0800
- ウェブサイト: https://www.kl.emb-japan.go.jp
移民局(マレーシア国内)
- 本部(クアラルンプール): Jabatan Imigresen Malaysia
- ウェブサイト: https://www.imi.gov.my
最終更新日: 2026年3月20日
このページの情報は MOTAC 公式情報に基づいています。制度は変更される可能性があります。必ず最新情報を公式サイトでご確認ください。