この記事のポイント

📌 この記事は MDEC公式サイト の情報(2026年3月確認)に基づいています。


DE Rantau Nomad Pass(Professional Visit Pass)とは

DE Rantauは、マレーシア政府のデジタル経済推進機関 MDEC(Malaysia Digital Economy Corporation) が運営する、デジタルノマド・リモートワーカー向けの国家プログラムです。東南アジアをデジタルノマド受け入れの中心地とするマレーシアの旗艦施策として位置づけられています。

その中核となるのが 「DE Rantau Nomad Pass」 で、正式には 「Professional Visit Pass(Pas Lawatan Ikhtisas / PLIK)」 という在留資格区分に属します。通常の観光ビザ(日本人は90日間ノービザで入国可)では認められないリモートワークを、法的に認められた形でマレーシアを拠点に行うことができます。

マレーシアは治安が良く、高速インターネット、豊富なコワーキングスペース、手頃な生活コストを備え、デジタルノマドにとって最適な環境が整っています。DE Rantauは、こうした魅力を最大限に活かすための制度です。


費用・有効期間・対象条件(具体的な数字)

パスの種別と費用

区分金額
メインパス(本人)MYR 1,000(約3万円※1)
同伴者(配偶者・子ども・親)1名あたりMYR 500(約1.5万円※1)

※1 為替レート:1MYR ≈ 30円で換算(2026年3月時点。レートは変動します)

滞在期間・更新

項目内容
初回滞在期間3ヶ月~12ヶ月(申請時に選択)
更新さらに最大12ヶ月の延長が可能
最長累計滞在合計24ヶ月(2年間)

同伴できる家族

配偶者(Spouse)子ども(Child/Children)親(Parent/Parents) ※ メインパス保有者のみ帯同可

家族帯同時の費用:メインパス MYR 1,000 + 同伴家族 × MYR 500

例)本人+配偶者+子ども2人の場合:

対象となる就労形態

DE Rantau Passは、以下の2種類の働き方を対象としています:

1. デジタルフリーランサー・独立請負人(Digital Freelancer / Independent Contractor)

2. リモートワーカー(Remote Worker)

日本企業にフルリモートで勤務している方は、この条件を自然に満たします。


対象職種:テック・非テック両方対応

テック系職種(Tech Talent/Profession)

非テック系職種(Non-Tech Talent/Profession)

DE Rantau の大きな特徴 は、IT・エンジニア職以外にも広く対応している点です:

日本人フリーランサー、YouTuber、ブロガー、コンテンツクリエイター も「Digital Creative Content」「Digital Content Development」に該当する可能性があります。詳細は公式FAQをご確認ください。


申請手順(6ステップ)

MDEC公式サイト(mdec.my/derantau)の情報をもとにした標準的な申請フローは以下の通りです:

STEP 1:資格確認(事前)

STEP 2:書類準備(1-2週間)

詳細な書類リストは MDEC公式FAQをダウンロードしてご確認ください。

STEP 3:MDEC公式ポータルでアカウント登録

  1. MDEC公式サイト にアクセス
  2. 「SIGN UP NOW」または「REGISTER NOW」をクリック
  3. メールアドレス、パスワードを設定してアカウント作成
  4. 個人情報の入力(氏名、生年月日、パスポート番号など)

STEP 4:申請フォーム記入・書類アップロード(2-3日)

  1. 職種、雇用形態(フリーランサー/リモートワーカー)を選択
  2. 就労証明書類(契約書)をアップロード
  3. 年収証明書をアップロード
  4. 同伴家族がいる場合は人数・関係を入力

STEP 5:申請料を支払い

STEP 6:審査・承認(2-4週間)

STEP 7:マレーシア入国・滞在開始


費用の総合的な内訳

DE Rantau申請費用

費目金額備考
メインパス申請料(本人)MYR 1,000約3万円
同伴家族追加(配偶者またはお子さん)MYR 500/人約1.5万円/人
合計(本人のみ)MYR 1,000約3万円
合計(本人+配偶者)MYR 1,500約4.5万円
合計(本人+配偶者+子ども2人)MYR 3,000約9万円

日本側での準備費用(目安)

項目金額備考
パスポート取得・更新(必要な場合)16,000円新規取得:11,000円(10年)、更新:6,000円(5年)
英文戸籍謄本・認証翻訳3,000-5,000円不要な場合もあり
雇用契約書の認証翻訳(必要な場合)5,000-10,000円オンラインで英文契約がある場合は不要
年収証明書の翻訳(必要な場合)2,000-3,000円英文の給与明細がある場合は不要
健康診断(任意)10,000-20,000円不要の場合もあり

マレーシア滞在中の概算生活費(月額)

項目低予算中程度快適
家賃(1ベッドルーム、都市部)MYR 1,500MYR 2,500MYR 4,000
食費MYR 600MYR 1,200MYR 2,000
交通費(公共交通)MYR 100MYR 200MYR 300
ユーティリティ・インターネットMYR 200MYR 300MYR 500
その他(娯楽・外出)MYR 300MYR 800MYR 1,500
月額合計MYR 2,700(約8.1万円)MYR 5,000(約15万円)MYR 8,300(約24.9万円)

※ 2026年3月時点、1MYR ≈ 30円で換算


マレーシア内の対象地域・コワーキングスペース

DE Rantau対応都市

DE Rantau Nomad Pass はマレーシア全土で利用可能です。特にデジタルノマドに人気の地域:

クアラルンプール(首都)

ペナン州(ジョージタウン)

セランゴール州(スバン・ジャヤ)

DE Rantau Sarawak(ボルネオ島・サラワク州)

推奨コワーキングスペース(KL例)

スペース特徴月額(参考)
Workspace.com大型チェーン、高速WiFi、イベント多数MYR 400-800/月
The Hiveスタートアップ向け、コミュニティ活発MYR 300-600/月
Sun Deskビーチ近くのリゾート型ワークスペース(ペナン)MYR 500-1,200/月
Coluna Kolonialクラシック建築+モダン設備(ジョージタウン)MYR 250-500/月

詳細は各スペースの公式サイトでご確認ください。


日本の就労ビザとの徹底比較

制度の根本的な違い

日本の出入国在留管理庁 が定める就労系在留資格は、原則として「日本国内の企業・機関での就労・活動」を前提としています。つまり、日本の在留資格は「日本で日本の会社のために働く外国人」を想定した制度です。

一方、DE Rantau Nomad Pass は「海外(マレーシア外)のクライアント・雇用主のために働きながらマレーシアに住む外国人」を想定した制度であり、発想が根本的に異なります。

主要項目の対比表

比較項目DE Rantau(マレーシア)日本の就労系在留資格(参考)
対象者海外企業のリモートワーカー・フリーランサー日本国内の機関・企業で働く外国人
代表的な資格名Professional Visit Pass(PLIK)「技術・人文知識・国際業務」「高度専門職」など
雇用主の所在地マレーシア国外(外国企業)原則として日本国内
最長在留期間(初回)12ヶ月1年・3年・5年(在留資格の種類による)
更新後の最長期間24ヶ月要件を満たせば更新継続可・永住申請も可
申請費用(本人)MYR 1,000(約3万円)認定証明書申請:無料(変更・更新は収入印紙4,000円)
家族帯同配偶者・子・親が可(追加MYR 500/名)「家族滞在」で配偶者・子は可(親は原則不可)
対象職種テック・非テック両方資格に応じた活動範囲に限定
リモートワーク合法性制度上明示的に認可❌ 観光ビザでのリモートワークは不法就労
デジタルノマド専用制度ありなし(2026年時点)

日本人にとって最も重要な違い

  1. 日本には デジタルノマド専用ビザが存在しない

    • 日本の出入国在留管理庁の在留資格一覧には「技術・人文知識・国際業務」「高度専門職」「特定技能」などが存在しますが、いずれも「日本国内での就労活動」が前提です。
    • 海外企業のリモートワーカーが日本に長期滞在する場合、法的な困難があります。
  2. 観光ビザでのリモートワークはグレーゾーン

    • 日本人はマレーシアに90日間ノービザで入国できますが、この期間中のリモートワークは法的に認められていません。
    • DE Rantau Passを取得することで、**法的に白色(合法)**になります。
  3. DE Rantau は低コスト・高柔軟性

    • 費用:MYR 1,000(約3万円)で最長12ヶ月
    • 日本の就労系在留資格は、雇用契約が必須で、会社から推薦を受ける必要があり、手続きが複雑です。

ASEAN他国のデジタルノマドビザとの比較表

東南アジア各国の制度と比較します:

項目マレーシアDE RantauタイLTR(Long Term Resident)インドネシアB211A(Limited Stay Permit)ベトナム1-3ヶ月eVisaシンガポールEP(Employment Pass)
正式名称Professional Visit Pass(PLIK)Long Term Resident VisaLimited Stay PermiteVisa(90日以内)Employment Pass(EP)
最長滞在24ヶ月(更新可)4-20年(選択制)6-60ヶ月3ヶ月2年(更新可)
申請費用(本人)MYR 1,000(約3万円)THB 20,000(約6万円)IDR 3-6M(約2-4万円)USD 39-46(約4-5千円)SGD 0(無料)※
対象者リモートワーカー・フリーランサー長期滞在者(リタイア・投資家他)一般渡航者短期観光就労者(給与条件あり)
雇用主条件海外企業のみOK自営業・投資可制限なし制限なしシンガポール企業が必須
家族帯同✅ 配偶者・子・親可△ タイ内ビジネス要✅ 可❌ 不可✅ 「Dependent Pass」で可
リモートワーク合法性✅ 明示的に認可△ グレーゾーン△ グレーゾーン❌ 観光ビザのため不可✅ EP保有なら可
年金受給者〇 年金のみでもOK場合あり◎ LTR専用△ 条件により△ 条件により❌ 給与条件あり
就労許可別途取得△ 必要な場合あり◎ 不要○ 条件により❌ 不可✅ 必須
ノマド向け評価⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐☆⭐⭐⭐☆☆⭐⭐☆☆☆⭐⭐⭐⭐☆

※ EP 申請は無料ですが、給与・年齢に基づく厳格な基準があります

ペルソナ別おすすめ

デジタルノマド(リモートワーカー・フリーランサー)マレーシア DE Rantau がおすすめ

現役会社員(日本企業勤務)で長期滞在したいマレーシア DE Rantau (雇用主が日本企業の場合)

起業家・事業オーナーで資産管理も兼ねたいタイ LTR または マレーシア MM2H

年金生活者で長期滞在したいタイ LTR または マレーシア MM2H


日本人が注意すべきポイント

① 「観光ビザでリモートワークをする」は違法リスク

日本人はマレーシアに 90日間ノービザ で入国できます。しかし、観光ビザ(ノービザ入国)でのリモートワークはマレーシア出入国管理法では禁止されており、グレーゾーンまたは違法になる可能性があります。

DE Rantau Nomad Pass を取得することで、法的に認められた形でのリモートワーク滞在 が実現します。長期滞在を検討しているなら、早期に正規パスへ切り替えることを強く推奨します。

② リモートワーカーの雇用主は「マレーシア国外」であることが必須

リモートワーカーとして申請する場合、雇用主はマレーシア国外(外国企業)でなければなりません

✅ OKの例:

❌ NGの例:

③ 契約書の「期間3ヶ月超」要件を確認

フリーランサーの場合、プロジェクト契約の期間が 3ヶ月超 でなければなりません。

④ 年収要件(Annual Income)を確認

公式サイトのテキストに「Annual Income」の記載があります。申請前に必ず公式FAQ ドキュメント(mdec.my/derantau より)をダウンロードして、最新の年収要件を確認してください

具体的な年収基準の数字は、公式FAQで詳細が提供されています。

⑤ 税務上の居住地判定に注意

DE Rantau で長期滞在した場合、以下の税務上の問題が生じる可能性があります:

マレーシア側:

日本側:

日本とマレーシアの租税条約:

⑥ 親の帯同はメインパス保有者のみ

配偶者・子どもは「同伴者」として申請できますが、親を帯同できるのは本人(メインパス保有者)のみ です。同伴者が独立して親を連れることはできません。

⑦ DE Rantau Sarawak という新しい選択肢も

2024年現在、マレーシア・サラワク州に特化した「DE Rantau Sarawak」も追加されています。熱帯雨林と都市生活が共存するボルネオ島での生活・就労を希望する場合は、こちらのFAQも別途確認してください。


よくある質問(FAQ)

Q1: 観光ビザとDE Rantau Nomad Passは何が違いますか?

観光ビザ(日本人はノービザで90日)では、法的にはリモートワークをしながら滞在することはできません。一方、DE Rantau Nomad Passは、デジタルノマド・リモートワーカーがマレーシアで合法的に仕事をするための専用ビザ です。

最長12ヶ月(更新で最長24ヶ月)滞在でき、医療アクセス、銀行口座開設の容易さなど、生活に必要な特典も得られます。定期的な更新手続きなしに、長期滞在と就労を両立させたいなら、DE Rantau Passの取得を推奨します。

出典:MDEC公式サイト


Q2: 日本の会社で正社員として働きながらDE Rantauに申請できますか?

はい、申請可能です。 ただし、以下の条件を満たす必要があります:

  1. 雇用契約がマレーシア国外(日本企業)の企業であること ← これが最も重要
  2. フルリモートワーク(オフィス出社がない) であること
  3. 雇用契約書に契約期間が明記 されていること

日本企業に在籍してリモートワークしている方は、この条件を自然に満たします。ただし、契約書は英文またはマレーシア当局で認証された翻訳版が必要です。


Q3: DE Rantau Passを取得したら、マレーシア国内企業で働くことはできますか?

いいえ、できません。 DE Rantau Nomad Pass は「海外の雇用主・クライアントのためにリモートワークする」ことを前提とした制度です。

マレーシア国内企業に雇用されたい場合は、別途 Employment Pass(EP) を取得する必要があります。EP は給与水準に基づく厳格な基準があり、申請手続きも複雑です。


Q4: フリーランサーで複数のクライアントがいます。複数契約を合算できますか?

はい、合算可能です。 複数のプロジェクト契約を合算して、合計期間が 3ヶ月超 であれば申請条件をクリアできます。

例)

ただし、各契約書の提出が必要です。複数契約の場合、どの契約が有効で、どれが終了したのか明確にしておく ことが重要です。


Q5: 日本に家や家族がいます。DE Rantau で24ヶ月滞在した場合、日本の住民票や税務申告はどうなりますか?

住民票、税務申告、社会保険について、以下の手続きが必要です:

住民票:

税務申告(日本側):

税務申告(マレーシア側):

社会保険(国民年金):

詳細は、日本の年金事務所またはマレーシアの日本大使館領事部に相談してください。


Q6: DE Rantau の審査で却下されることはありますか?何が理由ですか?

あります。 主な却下理由:

書類不備・虚偽:

資金源の問題:

その他:

これらのリスクを軽減するため、申請前に以下を確認することを強く推奨します:

詳細は MDEC公式FAQ をダウンロードしてご確認ください。


まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと

✅ 自分でできること

(リスク低い・判断が明確な手続き)

🤝 専門家に相談すべきこと

(複雑・判断に専門知識が必要な手続き)

イミグレーション法:

税務関連:

銀行・金融:

書類翻訳:

会計・給与:


関連記事・次のステップ

DE Rantau 申請以降の手続きや、マレーシア生活に必要な情報は、以下の記事をご参照ください:


公式リソース


この記事は MDEC 公式サイト(2026年3月確認) および マレーシア入国審査局 の公式情報を基に作成しています。法律・ビザ制度は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。

マレーシア DE Rantau デジタルノマドビザ ノマドパス リモートワーク
※ この記事の情報は2026年3月20日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。