DE Rantau Nomad Passとは

DE Rantau(デ・ランタウ)は、マレーシア政府のデジタル経済推進機関**MDEC(Malaysia Digital Economy Corporation)**が主導する、マレーシアをASEANのデジタルノマドハブとして確立するための旗艦プログラムです。

その中核をなす「DE Rantau Nomad Pass」は、正式には**Professional Visit Pass(Pas Lawatan Ikhtisas / PLIK)**という在留資格区分に属し、要件を満たす外国人デジタル専門職者が観光ビザの制限を超えてマレーシアに長期滞在・リモートワークできる仕組みです。

マレーシア観光ビザ(ビザオンアライバル)では日本人は通常最大90日しか滞在できません。DE Rantau Passを取得することで、最短3ヶ月〜最長12ヶ月の滞在が可能となり、さらに最大12ヶ月の更新が認められるため、合計で最大24ヶ月連続してマレーシアに拠点を置くことができます。

※本記事の情報はMDEC公式サイト(https://mdec.my/derantau/)に基づきます。


費用・有効期間・条件(具体的な数字)

パスの基本スペック

項目 内容
パスの種類 Professional Visit Pass(PLIK)
滞在期間 3ヶ月〜12ヶ月(選択制)
更新 最大12ヶ月の更新1回 → 合計最大24ヶ月
申請費用(本人) MYR 1,000(約3万2千円※)
申請費用(扶養家族1人あたり) MYR 500(約1万6千円※)
帯同できる家族 配偶者・子供(本人のみ親も帯同可)

※1MYR≒32円換算(レートは変動します)

対象となる働き方

DE Rantau Passの対象者は以下の2種類です:

  1. デジタルフリーランサー/独立請負人(Independent Contractor)

    • アクティブなプロジェクト契約が必要
    • 契約期間が3ヶ月超であること(複数契約の合算可)
    • クライアントは国内外どちらでも可
  2. リモートワーカー(フルタイム・パートタイム)

    • アクティブな雇用契約が必要
    • 契約期間が3ヶ月超であること
    • **雇用主はマレーシア国外(外国企業)**であること

対象となる職種

テック系職種(Tech Talent/Profession)

非テック系職種(Non-Tech Talent/Profession)

DE Rantauの大きな特徴の一つが、IT・エンジニア職以外にも対応している点です。以下のような職種も申請可能です:


申請の手順

MDEC公式ページの情報をもとにした基本的なフローは以下のとおりです。

STEP 1: 資格確認
  └── 職種・雇用形態・契約期間(3ヶ月超)が要件を満たすか確認

STEP 2: 書類準備
  └── 雇用/請負契約書、年収証明、パスポートなど

STEP 3: DE Rantauポータルでアカウント登録
  └── MDEC公式サイト(mdec.my/derantau)から「SIGN UP NOW」

STEP 4: オンライン申請フォームの記入・書類アップロード

STEP 5: 申請料の支払い
  └── 本人:MYR 1,000 / 扶養家族:MYR 500/人

STEP 6: 審査・承認待ち

STEP 7: パス受領・マレーシア入国

詳細な手順・必要書類の正式リストはMDEC公式FAQをご確認ください(公式サイトよりPDFダウンロード可)。


日本の在留資格との比較・対比

日本人がDE Rantauを理解するうえで最もわかりやすいのは、日本の出入国在留管理庁が管轄する在留資格制度との比較です。

比較項目 マレーシア DE Rantau Pass 日本の就労系在留資格(参考)
根拠制度 Professional Visit Pass(PLIK) 「技術・人文知識・国際業務」等の在留資格
主な対象 外国人デジタルノマド・リモートワーカー 日本国内の企業に就労する外国人
雇用主の所在 マレーシア国外の企業でOK 原則として日本国内の機関・企業が必要
有効期間 最長12ヶ月(更新で最大24ヶ月) 1年・3年・5年(在留資格の種類・審査による)
申請費用 MYR 1,000(約3.2万円) 収入印紙4,000円(認定証明書経由の場合)
家族の帯同 配偶者・子・親(主申請者のみ親可) 「家族滞在」在留資格が別途必要
対象職種 テック・非テック双方(広範) 職種ごとに在留資格が細分化
就労制限 原則マレーシア企業への就労は不可 在留資格の範囲内での就労のみ可
デジタルノマド専用制度 あり(DE Rantau専用パス) なし(2024年時点で専用制度なし)

重要な構造的違い

日本の在留資格制度は、「日本国内の機関に所属して日本で働く外国人」のための制度設計が基本です。出入国在留管理庁の在留資格一覧(公式)にも、就労可能な在留資格として「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「高度専門職」などが列挙されていますが、いずれも日本国内の雇用主との契約を前提としています。

一方DE Rantauは、マレーシア国外の雇用主・クライアントと契約しながらマレーシアに滞在してリモートワークするという、デジタルノマド特有の働き方を正面から制度化しています。日本では2024年時点でこれに直接対応する専用ビザ制度は設けられておらず、この点がDE Rantauの際立った特徴です。


日本人が注意すべきポイント

① リモートワーカーの雇用主は「非マレーシア企業」であることが必須

リモートワーカーとして申請する場合、雇用主はマレーシア国外(外国籍)の企業でなければなりません。日本企業に在籍してリモートワークしている方は、この条件を満たします。ただし、マレーシア国内企業に雇用されている場合は対象外です。

② 日本国内での税務上の取り扱いに注意

DE Rantau Passはマレーシアでの滞在・就労許可を与えるものですが、日本の税法上の「居住者」「非居住者」の判定は別途必要です。183日ルールなど日本の所得税法上の規定と、マレーシアでの課税関係を両国で個別に確認する必要があります。公式ページには税制の詳細は記載されていないため、この点は別途調査が必要です。

③ 「観光ビザで働いている」状態からの切り替えを

日本人はマレーシアに観光ビザ(最大90日)で入国し、そのままリモートワークしているケースが多く見られます。DE Rantau Passは、こうしたグレーゾーンでの滞在を合法的に解消するための制度です。長期滞在を検討しているなら、早期に正規パスへ切り替えることをおすすめします。

④ フリーランサーの場合「複数契約の合算」が認められる

フリーランサーは1社との契約が3ヶ月超でなくても、複数のプロジェクト契約を合算して要件を満たせます。日本のフリーランサーが複数クライアントと並行して仕事をするケースでも対応可能な設計です。

⑤ DE Rantau Sarawakという新しい選択肢も登場

2024年現在、マレーシア・サラワク州に特化した「DE Rantau Sarawak」も追加されています。熱帯雨林と都市生活が共存するボルネオ島での生活・就労を希望する場合は、こちらのFAQも別途確認してください。


まとめ・次のアクション

【ブロック1: 自分でできるステップチェックリスト】


以下の点は、個人の状況によって判断が異なるため、公式FAQだけでは解決しにくいケースです:


【ブロック3


この記事はマレーシアDE Rantauビザ(MDEC)の公式情報を基に作成しています。法律・税制は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。

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※ この記事の情報は2026年3月12日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。