SSM(マレーシア企業委員会)とは

SSM(Suruhanjaya Syarikat Malaysia/Companies Commission of Malaysia)は、マレーシアにおける会社・事業・有限責任パートナーシップの登録・規制・監督を担う政府機関です。日本でいえば、**法務省(会社登記)+総務省(事業者届出)+金融庁(一部規制機能)**を合わせたような役割を果たしています。

マレーシアで事業を始める際には、SSMへの登録が法的義務となります。SSM公式サイト(ssm.com.my)から以下の3種類の登録形態を選択できます。


登録形態の種類と基本条件

SSMが管轄する登録形態は主に3つです。

① 事業者登録(ROB:Registration of Business)

② 会社設立(ROC:Registration of Company)

③ 有限責任パートナーシップ(LLP:Limited Liability Partnership)


費用・条件(SSM公式情報より)

SSM公式サイトには各登録形態の費用表(Table of Fees)が掲載されています。以下は公式サイトで参照できる費用体系の概要です。

登録形態 申請システム 法的根拠
事業者登録(ROB) ezBiz Registration of Businesses Act 1956
会社設立(ROC) MyCoID Companies Act 2016
LLP MyLLP Limited Liability Partnerships Act

⚠️ 注意:具体的な登録費用の金額はSSM公式サイトの「Table of Fees」ページ(ssm.com.my)に掲載されています。費用は登録形態・会社タイプ・資本金額によって異なるため、必ず公式ページで最新情報を確認してください。

年次申告・遅延ペナルティについて(2026年最新情報)

SSM公式アナウンス(2026年1月31日〜3月31日)によると、MBRS 2.0システムのピーク期間中、年次報告書および財務諸表の遅延提出ペナルティが免除される措置が講じられています(Practice Directive 1/2017に基づく規定)。これは、法定申告の遅延に対してペナルティが発生する仕組みであることを示しており、通常時は期限厳守が必要です。


登録の手順(ステップ・フロー)

ROB(事業者登録)の基本フロー

  1. SSM公式サイト(ssm.com.my)にアクセス
  2. ezBizシステムへログイン(MyKADまたはパスポート番号で登録)
  3. 事業情報の入力(事業名・事業内容・住所・パートナー情報)
  4. 必要書類のアップロード(身分証明書等)
  5. 手数料の支払い(オンライン決済)
  6. 登録証明書の取得

ROC(会社設立)の基本フロー

  1. SSM公式サイト(ssm.com.my)にアクセス
  2. MyCoIDシステムへログイン
  3. 会社名の予約・承認申請
  4. 定款・設立書類の準備(Companies Act 2016に準拠)
  5. 取締役・株主情報の登録
  6. 手数料の支払い
  7. 会社登録番号(ROC番号)の取得
  8. 税務登録等の後続手続き(LHDN等への届出)

LLPの基本フロー

  1. MyLLPシステムへアクセス
  2. LLP名称の承認申請
  3. パートナー情報・LLP協定書の登録
  4. 手数料の支払い・登録完了

日本との違い・対比

日本で会社を設立する場合との主要な比較を以下に示します。

比較項目 マレーシア(SSM) 日本(法務省)
主な法人形態 Sdn Bhd(非公開有限会社)、LLP 株式会社、合同会社、合名会社、合資会社
準拠法 Companies Act 2016 会社法(2006年施行)
登録機関 SSM(単一窓口) 法務局(登記所)+税務署(国税庁)に別途届出必要
オンライン申請 MyCoID・ezBiz・MyLLPで完結 商業登記電子申請(法務省)で対応可
会社名規制 商号にアルファベット・アラビア数字・記号が使用可能 商号にはローマ字使用可(2015年改正以降)、一定の記号(&、’、・、コンマ等)も使用可
年次申告義務 年次報告書+財務諸表をMBRSで提出 法人税申告書を税務署に提出(国税庁)
法人設立届出 SSMへの登録で完結(税務は別途) 法人設立後2か月以内に税務署へ法人設立届出書を提出(国税庁)
ペナルティ制度 遅延提出に対しペナルティあり(免除措置が年次で設けられることも) 期限内申告・納付が原則(延滞税・加算税あり)

補足:日本の法人設立届出との比較

日本では、国税庁の公式情報によると、法人設立日(登記日)から2か月以内に所轄税務署へ「法人設立届出書」を提出する義務があります(e-Taxによるオンライン提出も可)。また、一般社団法人は一般財団法人と異なり非営利型法人に該当する場合は公益法人として扱われるなど、日本では法人の種類によって税務上の取り扱いが細かく異なります。

マレーシアのSSMでは登録と税務(LHDN)が別機関ですが、SSM登録という「単一窓口」から手続きを開始できる点は、日本の「法務局での登記+税務署への届出+都道府県・市区町村への届出」という複数機関への手続きと比べて、初期の手続き負担が異なります。


日本人が注意すべきポイント

① 「Sdn Bhd」は株式会社とは異なる

日本の感覚でいう「株式会社」に近いのがSdn Bhd(Sendirian Berhad)ですが、株主数・公開性・取締役要件などに違いがあります。Companies Act 2016の内容を事前に確認することが必須です。

② 会社秘書役(Company Secretary)の設置義務

マレーシアでは、すべてのSdn Bhdは登録された会社秘書役(e-Secretary)を必ず1名以上置く義務があります。SSMのe-Secretaryシステムで登録済みの会社秘書役のリストを確認できます。日本には同様の義務はなく、日本人にとって見落としやすいポイントです。

③ 外国人・外資の取締役・株主規制

業種によっては、マレーシア人取締役の最低人数要件や外資比率の上限が設けられている場合があります。Companies Act 2016だけでなく、業種ごとの規制を確認する必要があります。

④ 年次申告・財務諸表提出の義務

SSMに登録した法人は、毎年年次報告書(Annual Return)と財務諸表をMBRS(Mandatory Business Reporting System)経由で提出する義務があります。2026年のSSM公式アナウンスでは、MBRS 2.0のピーク期間(2026年1月31日〜3月31日)に限りペナルティ免除措置が講じられていますが、通常時は遅延に対してペナルティが発生します。日本の確定申告と同様、期限管理が重要です。

⑤ 法改正への対応

2024年にはCompanies (Amendment) Act 2024およびLimited Liability Partnerships (Amendment) Act 2024が施行されており、最新の法改正内容を把握する必要があります。SSM公式サイトのLegal Frameworkセクションで確認できます。

⑥ AML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)への対応

SSMはAML/CFT規制も所管しており、Beneficial Ownership(実質的支配者)情報の登録義務があります。日本でも2023年以降に実質的支配者情報の確認が強化されていますが、マレーシアでは登録時から義務付けられています。

⑦ 虚偽申告への厳しいペナルティ

2026年2〜3月の直近のSSMの法的措置として、「取締役がSSMへ虚偽の陳述を行い30,000リンギットの罰金」「虚偽情報提出で有罪」などの事例が報告されています。正確な情報の届出は法的義務であることを認識してください。


まとめ・次のアクション

【ブロック1: 自分でできるステップチェックリスト】


【ブロック2: 自分では調べにくい・状況によって異なること】

以下の点は、個人の状況によって判断が異なるため、一般情報だけでは結論が出しにくいポイントです:


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この記事はマレーシア企業委員会(SSM)の公式情報を基に作成しています。法律・税制は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。

マレーシア 法人設立 会社登記 Sdn Bhd
※ この記事の情報は2026年3月15日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。