SSM(マレーシア企業委員会)とは

SSM(Suruhanjaya Syarikat Malaysia)は、マレーシアにおける企業・ビジネス登録・監督を一元管理する政府機関です。日本でいう「法務省(会社登記)+経済産業省(事業者届出)」を合わせたような役割を担っており、マレーシア国内で合法的に事業を営むためのすべての登録窓口となっています。

公式サイト(https://www.ssm.com.my/)では以下の主要サービスが提供されています:

2024年には Companies (Amendment) Act 2024 および Limited Liability Partnerships (Amendment) Act 2024 が施行され、最新の法改正に対応した手続きが求められます。


登録形態・費用・条件(具体的な数字)

SSMで登録できる事業形態は主に3種類です。それぞれの特徴と費用を整理します。

① 個人事業・パートナーシップ(ROB)

② 法人(ROC:Sdn Bhd / Bhd など)

2026年注目情報: SSMは2026年1月31日~3月31日の間、MBRS 2.0システムの混雑期に対応するため、年次報告書・財務諸表の遅延提出ペナルティを免除する措置を発表しています(Practice Directive 1/2017に基づく)。

③ 有限責任パートナーシップ(LLP)


申請・登録の手順

法人(Sdn Bhd)設立の基本フロー

STEP 1: 会社名の確認・予約
  └→ MyCoID(https://www.ssm.com.my/)にアクセス
  └→ 希望する会社名が使用可能か検索(e-Search)

STEP 2: 必要書類の準備
  └→ 取締役・株主のMyKAD(身分証)またはパスポートのコピー
  └→ 登録住所(マレーシア国内の住所が必要)
  └→ 会社定款(Memorandum & Articles of Association)

STEP 3: MyCoIDでオンライン申請
  └→ 会社形態・授権資本・事業内容(MSIC Code)を入力
  └→ 所定の登録費用をオンライン決済

STEP 4: 登録完了・証明書取得
  └→ 承認後、会社登録証明書(Certificate of Incorporation)が発行
  └→ 通常、申請から数営業日以内

STEP 5: 設立後の手続き
  └→ 会社秘書(Company Secretary)を30日以内に選任
  └→ 法人銀行口座の開設
  └→ 税務登録(LHDN=マレーシア国税庁)
  └→ 必要に応じてSST(売上税・サービス税)登録

個人事業(ROB)登録の基本フロー

STEP 1: ezBiz Onlineにアクセス(SSM公式サイト経由)
STEP 2: 事業名・業種・住所を入力
STEP 3: 登録費用をオンライン決済
STEP 4: 登録証明書を取得
STEP 5: 毎年、Renewal & Activation Platformから更新手続き

日本との違い・対比

日本で会社や事業を始める場合との比較を整理します。

比較項目 マレーシア(SSM) 日本
個人事業の登録機関 SSM(ROB) 税務署(開業届、青色申告承認申請)
法人設立の登録機関 SSM(ROC) 法務局(商業登記)+税務署(法人設立届出)
法人の主要形態 Sdn Bhd(有限責任会社) 株式会社・合同会社
法人設立の最低資本金 法律上の最低資本金なし(RM1から可能) 株式会社・合同会社ともに最低資本金の規定なし(会社法上)だが実務費用が発生
設立登録費用の目安 RM1,000前後(約3万円) 株式会社:登録免許税15万円+公証役場費用約5万円=合計約20万円~、合同会社:登録免許税6万円~
法人の年次申告 毎年、MBRS 2.0経由で提出 毎年、法務局へ登記(変更時)+税務署へ法人税申告
法人税率 中小企業(資本金RM250万以下):最初RM15万まで15%、超過分17%/大企業:24% 中小法人:15%(年800万円以下の所得)、普通法人:23.2%
個人事業主の届出 SSMへの登録費用のみ(数百RM) 税務署への開業届は無料(ただし別途手続きあり)
有限責任パートナーシップ LLP(MyLLPで登録) 合同会社(LLC)または有限責任事業組合(LLP)
会社秘書(Company Secretary) 法律上必須(設立後30日以内) 不要(取締役が兼務可能)
법人설립の根拠법 Companies Act 2016 会社法(平成17年法律第86号)

日本の制度参考: 日本では法務省の規定により、株式会社設立時に登録免許税として資本金の0.7%(最低15万円)が必要です。合同会社は最低6万円です。マレーシアは同等の費用負担が大幅に低い点が特徴です。

また、日本の国税庁の規定では、法人設立後2ヶ月以内に「法人設立届出書」を税務署に提出する義務があります(e-Taxでの電子申請も可能)。マレーシアでもSSM登録後、LHDNへの税務登録が別途必要な点は共通しています。


日本人が注意すべきポイント

⚠️ ポイント1:居住取締役(Resident Director)の要件

マレーシアでSdn Bhdを設立する場合、最低1名のマレーシア居住者(市民権者・永住者・就労ビザ保有者)が取締役に就任する必要があります。日本から遠隔で100%設立・運営することはできず、現地のノミニーディレクターサービスを利用するか、自身がMM2Hや就労ビザを取得する必要があります。日本の株式会社では居住地要件がないため、この点は大きな違いです。

⚠️ ポイント2:会社秘書(Company Secretary)は法律上必須

日本では不要な「会社秘書」が、マレーシアではCompanies Act 2016により設立後30日以内の選任が義務付けられています。SSM公式サイトにも「e-Secretary」サービスおよび「List of Registered Secretaries」が掲載されており、SSM認定の秘書を選任しなければなりません。費用は年間RM1,000~RM3,000程度が相場です。

⚠️ ポイント3:ROBは外国人が単独で登録できない

個人事業登録(ROB)は原則としてマレーシア市民・永住者向けです。外国人が事業を行う場合は、Sdn Bhd(法人)の設立が現実的な選択肢となります。日本人が「とりあえず個人事業で始めよう」と考えるケースでつまずきやすいポイントです。

⚠️ ポイント4:MBRS 2.0での年次申告は電子提出が必須

2026年現在、SSMはMBRS(Malaysian Business Reporting System)2.0への移行を進めており、年次報告書・財務諸表はすべてオンラインでの提出が必要です。紙での提出は認められていません。2026年のペナルティ免除措置(1月31日~3月31日)はあくまで例外的な措置であり、通常は提出期限厳守が求められます。

⚠️ ポイント5:虚偽情報の申告には厳しい罰則

SSMの2026年2月・3月のニュースでは、取締役が虚偽申告でRM30,000の罰金を科された事例や、虚偽情報提供で有罪となった事例が報告されています。日本人経営者も、登録情報の正確性には細心の注意が必要です。

⚠️ ポイント6:MSIC業種コードの選択

会社設立時に選択する業種コード(SSM MSIC Code)は、後の許認可・税務・補助金申請に影響します。日本の「日本標準産業分類」に相当しますが、コード体系が異なるため、事業内容に合ったコードを慎重に選ぶ必要があります。


まとめ・次のアクション

マレーシアでの事業登録は、SSMが提供するオンラインシステム(ezBiz・MyCoID・MyLLP)によって効率化されています。日本と比べて設立コストが低く、法人税率も競争力がある一方、居住取締役要件・会社秘書の選任義務など、日本にはない独自ルールも存在します。


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この記事はマレーシア企業委員会(SSM)の公式情報を基に作成しています。法律・税制は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。

マレーシア 法人設立 会社登記 Sdn Bhd
※ この記事の情報は2026年3月14日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。