📌 この記事の要点

海外移住・海外赴任前に日本で必要な行政手続きを完全網羅。転出届、マイナンバー、国民健康保険、年金、住民税、運転免許、在外選挙登録まで時系列チェックリストで解説。

この記事のポイント

この記事は総務省、デジタル庁、日本年金機構、国税庁、外務省の公式情報(2026年3月確認)に基づいています。


手続き全体の流れ|4フェーズで整理

海外移住前の行政手続きは、漏れなく進めるために以下の4つのフェーズに分けて管理するのがおすすめです。

フェーズ時期主な手続き
Phase 1出国3ヶ月前〜情報収集・在外選挙登録・国際免許取得
Phase 2出国1ヶ月前〜納税管理人届出・銀行届出・各種契約解約
Phase 3出国2週間前〜転出届・国保喪失届・年金手続き
Phase 4出国後在留届・在外選挙登録・現地手続き

Phase 1:出国3ヶ月前〜|情報収集と準備

チェックリスト

国際運転免許証の取得

国際運転免許証はジュネーブ条約加盟国で1年間有効です。各都道府県の運転免許センターまたは警察署で申請できます。

項目内容
申請先運転免許センター・警察署
必要書類運転免許証、パスポート、証明写真(縦5cm×横4cm)
手数料2,350 JPY(約0円
有効期間発行日から1年間
所要時間免許センター:即日/警察署:約2週間

ASEAN主要国のうち、マレーシア・シンガポール・タイ・フィリピンはジュネーブ条約加盟国のため国際運転免許証が使えます。ベトナム・インドネシアは非加盟のため、現地免許への切替が必要です。

詳しくは海外移住と運転免許ガイド2026をご覧ください。


Phase 2:出国1ヶ月前〜|届出・契約整理

チェックリスト

納税管理人の届出

海外転出により日本の「非居住者」になっても、以下の場合は日本での納税義務が継続します。

この場合、出国前に税務署へ**「所得税・消費税の納税管理人の届出書」**を提出する必要があります。納税管理人は日本に住所のある親族・知人・税理士などに依頼します。

項目内容
届出先出国前の住所地を管轄する税務署
届出書「所得税・消費税の納税管理人の届出書」
届出時期出国前(遅くとも出国日まで)
届出費用無料
注意点届出がないと確定申告ができず、延滞税が発生する可能性

住民税については別途、市区町村に対して納税管理人を届け出る必要があります。住民税は1月1日時点で日本に住所がある場合にその年度の全額が課税されるため、年末年始の出国タイミングには注意が必要です。

詳しくは海外移住と住民税ガイド2026をご覧ください。

銀行口座の届出

海外転出時、各銀行に届出が必要です。届出を怠ると口座凍結のリスクがあります。

銀行非居住者口座インターネットバンキング届出方法
三菱UFJ対応一部制限あり窓口・郵送
三井住友対応一部制限あり窓口・郵送
みずほ対応一部制限あり窓口
ゆうちょ対応(2024年〜)制限あり窓口
楽天・SBI等ネット銀行非対応の場合あり要確認各社HP

詳しくは海外移住と銀行口座ガイド2026をご覧ください。


Phase 3:出国2週間前〜|転出届と関連手続き

チェックリスト

転出届の提出

転出届は海外移住前の最も重要な手続きです。提出することで、以下が一括処理されます。

転出届の提出で変わること内容
住民票除票になる
国民健康保険資格喪失(保険料の課税停止)
住民税翌年度から非課税(当年度分は納付義務あり)
国民年金強制加入→任意加入に変更
介護保険資格喪失(40〜64歳の場合)
選挙権国内選挙は不可→在外選挙に移行
項目内容
届出先住所地の市区町村役場
届出期間出国予定日の14日前〜出国日
届出人本人または世帯主(委任状があれば代理人も可)
必要書類本人確認書類(免許証等)、マイナンバーカード、印鑑(自治体による)
届出費用無料

転出届を出さない場合、住民税・国民健康保険料が課税され続けます。1年以上の海外滞在を予定している場合は、転出届の提出を強く推奨します。

詳しくは海外赴任・海外移住の転出届完全ガイド2026をご覧ください。

国民健康保険の喪失

転出届を提出すると、国民健康保険の資格は自動的に喪失します。保険証は返却が必要です。

出国後の医療保障の選択肢:

  1. 海外旅行保険に加入(出国前に加入必須)
  2. 現地の民間医療保険に加入(渡航先で加入)
  3. クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用(90日以内の短期滞在向け)
  4. 日本の任意継続保険(退職後2年以内、会社員だった方のみ)

詳しくは海外移住と日本の健康保険2026および海外移住後の医療保険完全ガイド2026をご覧ください。

国民年金の届出

転出届の提出後、国民年金は強制加入から任意加入に変わります。

選択肢内容メリット
任意加入する月額16,980 JPY(約0円 (2026年度)を継続納付将来の年金受給額が増える・障害年金の受給資格を維持
任意加入しない保険料の支払い不要月々の支出を減らせる

注意点:

詳しくは海外居住者の日本の年金ガイド2026をご覧ください。

マイナンバーカードの取り扱い

2024年5月27日の改正マイナンバー法施行により、海外転出後もマイナンバーカードは継続利用可能になりました。

項目内容
マイナンバー(番号)継続利用(変更なし)
マイナンバーカード継続利用可能(2024年5月〜)
マイナポータルログイン可能
コンビニ交付利用不可(住民票がないため)
健康保険証機能資格喪失により利用不可

転出届提出時に窓口で「海外転出後の継続利用」の旨を伝えてください。

詳しくはマイナンバーと海外移住2026をご覧ください。


Phase 4:出国後|現地で行う手続き

チェックリスト

在留届の提出

海外に3ヶ月以上滞在する日本人は、旅券法により在留届の提出が義務です。

項目内容
届出先最寄りの日本国大使館・総領事館
届出方法オンライン(ORRnet)が便利
届出時期入国後すみやかに
届出URLhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/
届出費用無料

在留届を提出すると、以下のメリットがあります。

在外選挙人証の申請

海外から日本の国政選挙に投票するには、在外選挙人証が必要です。

項目内容
申請先最寄りの日本国大使館・総領事館
申請時期在留届提出後すみやかに
交付までの期間約2〜3ヶ月
対象選挙衆議院選挙、参議院選挙、最高裁裁判官国民審査
投票方法在外公館投票、郵便投票、帰国投票

出国前に市区町村の選挙管理委員会で「出国時申請」を行うと、より早く在外選挙人証を受け取れます。

詳しくは海外在住者の選挙・投票ガイド2026をご覧ください。


日本人が知っておくべき注意点

1. 住民税の「1月1日ルール」

住民税は1月1日時点で日本に住所がある人に対して、前年の所得に基づいて課税されます。つまり:

数日の違いで数十万円の差が出る場合があるため、出国時期の調整は重要です。

2. 出国税(国外転出時課税制度)に注意

有価証券等の合計額が1億円以上の方は、出国時に含み益に対して所得税が課税される「国外転出時課税制度」の対象になります。

項目内容
対象者有価証券等1億円以上保有、出国前10年以内に5年超日本在住
対象資産上場株式、投資信託、デリバティブ取引等
税率15.315%(復興特別所得税含む)
納付猶予担保提供で最大10年間猶予可能

詳しくは日本の出国税(国外転出時課税)ガイド2026をご覧ください。

3. 家族帯同の場合の追加手続き

家族で海外移住する場合、以下の追加手続きが必要です。


手続き一覧チェックリスト

手続き届出先期限費用必須/任意
転出届市区町村役場出国14日前〜無料推奨(義務ではない)
国保喪失届市区町村役場転出届と同時無料必須(転出時)
年金届出年金事務所転出届と同時無料必須
介護保険喪失届市区町村役場転出届と同時無料必須(40歳以上)
マイナンバー届出市区町村役場転出届と同時無料推奨
納税管理人届出税務署出国前無料該当者は必須
国際運転免許証免許センター・警察署出国前2,350 JPY(約0円任意
在留届大使館(ORRnet)入国後すぐ無料義務
在外選挙人証大使館在留届後無料任意

よくある質問(FAQ)

Q1: 転出届を出さずに海外に行くとどうなりますか?

法的義務ではありませんが、転出届を出さないと住民税・国民健康保険料が課税され続けます。1年以上の海外滞在を予定している場合は、転出届の提出を強く推奨します。帰国時に遡って転出届を提出することは原則できません。

Q2: 転出届はいつまでに出す必要がありますか?

出国予定日の14日前から提出可能です。出国当日でも受理されますが、窓口の混雑を避けるため1〜2週間前の提出がおすすめです。郵送での転出届を受け付ける自治体もありますので、お住まいの市区町村に確認してください。

Q3: マイナンバーカードは海外でも使えますか?

2024年5月の法改正により、海外転出後もマイナンバーカードは継続利用可能になりました。マイナポータルへのログインは引き続き可能です。ただし、住民票に基づくサービス(コンビニ交付、健康保険証機能)は利用できません。

Q4: 海外移住後も日本の年金を払い続けるべきですか?

海外転出後、国民年金は任意加入になります。2026年度の保険料は月額16,980 JPY(約0円 です。将来の老齢年金受給額に直結するため、余裕があれば任意加入を推奨します。40年(480月)の満額に満たない場合は特にメリットが大きいです。

Q5: 国際運転免許証の有効期間はどのくらいですか?

発行日から1年間です。ただし、日本の運転免許証の有効期限が1年未満の場合は、免許の有効期限日までとなります。ASEAN各国での利用可否は条約加盟状況により異なりますので、運転免許ガイドで確認してください。

Q6: 海外転出後に銀行口座はどうなりますか?

多くの銀行では海外転出届の提出を求めています。非居住者向けサービスに切り替わり、一部のサービスが制限される場合があります。届出を怠ると口座凍結のリスクがあるため、出国前に必ず各銀行に連絡してください。

Q7: 帰国時にはどんな手続きが必要ですか?

帰国後14日以内に転入届を提出します。これにより住民票の復活、国民健康保険の再加入となります。マイナンバーカードの住所変更も必要です。国民年金も再度強制加入となります。


まとめ

自分でできること

専門家に相談すべきこと

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海外移住 住民票 転出届 マイナンバー 運転免許 行政手続き
※ この記事の情報は2026年3月27日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。