この記事のポイント
- 日本はASEAN全10カ国と**AJCEP(日ASEAN包括的経済連携)**を締結
- 各国と二国間EPA(JTEPA、JIEPA等)も締結しており、品目によって最適な協定が異なる
- **RCEP(2022年発効)**により中国・韓国を含む広域でのサプライチェーン活用が可能に
日ASEAN間の貿易協定一覧
| 協定 | 発効年 | 対象国 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| AJCEP | 2008年 | ASEAN10カ国+日本 | 広域・共通ルール |
| JSEPA | 2002年 | シンガポール | 日本初のEPA |
| JMEPA | 2006年 | マレーシア | 天然ゴム、パーム油 |
| JTEPA | 2007年 | タイ | 自動車部品が中心 |
| JIEPA | 2008年 | インドネシア | 看護師・介護士受入 |
| JPEPA | 2008年 | フィリピン | 看護師受入、自動車 |
| JVEPA | 2009年 | ベトナム | 工業製品の関税撤廃 |
| RCEP | 2022年 | ASEAN+日中韓豪NZ | 最大の広域FTA |
協定の使い分け
品目によって最も有利な税率が異なるため、以下の順序で確認します。
- 二国間EPA(JTEPA等)の税率を確認
- AJCEPの税率を確認
- RCEPの税率を確認
- 最も低い税率の協定を選択し、対応する原産地証明書を取得
原産地証明書の取得
| 協定 | 証明書 | 発行機関 | 自己申告 |
|---|---|---|---|
| 二国間EPA | 各EPA専用フォーム | 日本商工会議所 | 不可 |
| AJCEP | Form AJ | 日本商工会議所 | 不可 |
| RCEP | Form RCEP | 日本商工会議所 | 可能(認定輸出者) |
日本人が知っておくべき注意点
- 累積規定:RCEPでは日本+ASEAN+中韓豪NZの原材料を「域内原産」として累積可能
- 原産地規則の違い:協定ごとに原産地規則(付加価値基準、関税番号変更基準)が異なる
- デミニマス・ルール:非原産材料が一定割合以下であれば原産品と認められる特例
- RCEP自己申告:RCEPでは認定輸出者による自己申告が可能で手続きが簡素化
よくある質問(FAQ)
Q: どの協定が最も有利ですか? A: 品目により異なります。経済産業省のEPA/FTA原産地規則ポータル(https://www.epa-info.go.jp/)で確認できます。
Q: 原産地証明書の取得にかかる期間は? A: 日本商工会議所で通常2〜3営業日です。
Q: RCEPのメリットは? A: 中国・韓国を含む広域での累積規定が最大のメリットです。ASEAN+中国のサプライチェーンを活用する場合に有利です。
Q: 自己申告制度とは? A: RCEPでは認定輸出者が自ら原産地申告を行い、商工会議所の証明書発行が不要になる制度です。
Q: 複数の協定を同時に使えますか? A: 1つの輸入申告につき1つの協定しか適用できません。最も有利な協定を選択してください。
まとめ
日本はASEANとの間に重層的なFTA/EPAネットワークを構築しており、品目ごとに最適な協定を選択することで関税コストを最大限削減できます。経済産業省のポータルサイトで品目別の税率を確認し、適切な原産地証明書を取得してください。
※ この記事の情報は2026年3月22日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。