この記事のポイント
- セカンドホームビザは2022年にインドネシア政府が導入した最長5年(10年まで延長可能)の長期滞在ビザ
- 申請にはIDR(インドネシアルピア)またはUSDで130,000 USD(約20,733,648円) 相当の資産証明が必要
- 就労は不可だが、インドネシア国内での不動産購入・投資活動は可能
- 2026年3月時点の情報です。制度は2022年の導入以降、運用が段階的に整備されています
この記事は2026年3月時点のインドネシア入国管理総局の公式情報に基づいています。最新情報は入国管理総局公式サイトで必ずご確認ください。
セカンドホームビザの制度概要
セカンドホームビザ(Second Home Visa / Visa Rumah Kedua)は、インドネシア政府が2022年12月に導入した新しい長期滞在ビザです。一定の資産要件を満たす外国人が、インドネシアを「第二の住まい」として最長5年間滞在できます。
この制度は、バリ島をはじめとするインドネシアへの富裕層・リタイア層の誘致を目的として設計されました。従来のリタイアメントビザ(KITAS 319)が55歳以上を対象としていたのに対し、セカンドホームビザには年齢制限がない点が大きな特徴です。
申請条件
資産要件
セカンドホームビザの最も重要な申請条件は資産証明です。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| インドネシア国内の銀行預金 | 2,000,000,000 IDR(約18,842,000円) 以上(約130,000 USD(約20,733,648円) 相当) |
| または海外資産証明 | 130,000 USD(約20,733,648円) 以上 |
| 資産の種類 | 預金、不動産、投資信託、株式等の合計 |
注意: 申請時に資産を証明するだけでなく、滞在期間中もインドネシア国内の銀行口座に一定額を維持する必要があります。
その他の条件
- 年齢制限: なし(従来のリタイアメントビザと異なる大きな利点)
- パスポート有効期限: 残存期間36ヶ月以上
- 犯罪歴: 犯罪経歴証明書の提出が必要
- 健康保険: インドネシアで有効な健康保険への加入
- 宣誓書: インドネシアの法律を遵守する旨の宣誓書
申請手続きの流れ
ステップ1: 書類の準備
以下の書類を準備します。
- パスポート(残存期間36ヶ月以上)
- 資産証明書類(銀行残高証明書、不動産評価証明書等)
- 犯罪経歴証明書(日本の警察庁発行、アポスティーユ付き)
- 履歴書(英文)
- 証明写真(4×6cm、背景赤色)
- 健康保険証書のコピー
- 宣誓書(所定フォーム)
ステップ2: オンライン申請
インドネシア入国管理総局のオンラインポータル(visa-online.imigrasi.go.id)から申請します。
- 申請フォームの入力
- 書類のアップロード
- 申請手数料の支払い: 6,000,000 IDR(約56,526円) (約400 USD(約63,796円) )
ステップ3: 審査・承認
- 審査期間: 通常5〜15営業日
- 承認されるとe-Visa(電子ビザ)が発行される
- e-Visaの有効期間は発行から90日以内に入国する必要あり
ステップ4: インドネシア入国・KITAS手続き
- e-Visaで入国後、30日以内に最寄りの入国管理事務所でKITAS(一時滞在許可証)の手続きを行う
- 指紋登録、写真撮影が必要
- KITAS発行後、5年間の滞在が認められる
ステップ5: 延長(該当する場合)
- 5年間の滞在期間終了後、条件を満たしていればさらに5年間の延長が可能
- 最大で合計10年間の滞在が認められる
費用の総額
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| ビザ申請手数料 | 6,000,000 IDR(約56,526円) |
| KITAS発行手数料 | 2,000,000 IDR(約18,842円) |
| 日本での書類認証費用 | 20,000 JPY(約0円) 〜40,000 JPY(約0円) |
| 健康保険(年間) | 3,000,000 IDR(約28,263円) 〜10,000,000 IDR(約94,210円) |
| 代行業者手数料(利用する場合) | 5,000,000 IDR(約47,105円) 〜15,000,000 IDR(約141,315円) |
バリ島でのセカンドホームビザ活用
セカンドホームビザの取得者の多くがバリ島を滞在先として選んでいます。バリ島でのこのビザの活用ポイントを解説します。
不動産の取得
インドネシアの法律では外国人は土地を所有できませんが、以下の方法で不動産を活用できます。
- 使用権(Hak Pakai): 外国人が最長80年間の使用権を取得可能
- リースホールド: 25〜30年の土地・建物リース契約
- コンドミニアム(アパートメント): Strata Title形式であれば外国人名義で購入可能
バリ島の不動産市場では、スミニャック、チャングー、ウブドなどのエリアが人気で、コンドミニアムの価格は1,500,000,000 IDR(約14,131,500円) 〜5,000,000,000 IDR(約47,105,000円) 程度です。
生活コスト
バリ島での月間生活コストの目安は以下の通りです。
| 項目 | 月額目安 |
|---|---|
| 住居(プール付きヴィラ) | 10,000,000 IDR(約94,210円) 〜30,000,000 IDR(約282,630円) |
| 食費 | 5,000,000 IDR(約47,105円) 〜10,000,000 IDR(約94,210円) |
| 交通費(バイクレンタル含む) | 1,500,000 IDR(約14,132円) 〜3,000,000 IDR(約28,263円) |
| 光熱費・通信費 | 1,500,000 IDR(約14,132円) 〜3,000,000 IDR(約28,263円) |
| 合計 | 18,000,000 IDR(約169,578円) 〜46,000,000 IDR(約433,366円) |
他国のリタイアメントビザとの比較
| 項目 | インドネシア・セカンドホーム | タイ O-Aビザ | マレーシア MM2H |
|---|---|---|---|
| 年齢制限 | なし | 50歳以上 | 35歳以上 |
| 有効期間 | 5年(最大10年) | 1年(更新可) | 5〜15年 |
| 資産要件 | 130,000 USD(約20,733,648円) | 800,000 THB(約3,950,720円) 預金 | 1,000,000 MYR(約40,485,800円) 定期預金 |
| 就労 | 不可 | 不可 | 原則不可 |
| 家族帯同 | 可(配偶者・子ども) | 可(O型ビザ別途取得) | 可 |
| 申請の容易さ | 中程度 | 比較的容易 | やや煩雑 |
セカンドホームビザの最大の利点は年齢制限がないことです。30代・40代でインドネシアに長期滞在したい場合、他の国のリタイアメントビザでは年齢要件を満たせないケースがありますが、セカンドホームビザであれば申請可能です。
よくある質問(FAQ)
Q1: セカンドホームビザで就労できますか?
セカンドホームビザでの就労は認められていません。インドネシア国内で給与所得を得る場合は、別途労働許可証(KITAS Kerja)の取得が必要です。ただし、インドネシア国外からのリモートワーク収入については、現時点で明確な規制はありません。
Q2: 資産証明はインドネシア国内の銀行でなければなりませんか?
申請時は海外の銀行の残高証明書でも受理されます。ただし、入国後にインドネシア国内の銀行口座を開設し、一定額を預け入れることが推奨されています。将来的にはインドネシア国内の預金要件が厳格化される可能性があります。
Q3: セカンドホームビザから永住権への切り替えは可能ですか?
インドネシアの永住権(KITAP)の取得には、原則としてKITAS保持者として連続5年以上の滞在実績が必要です。セカンドホームビザのKITASは条件を満たす可能性がありますが、永住権審査は別途の基準が適用されるため、入国管理局への個別確認が必要です。
Q4: ビザの更新手続きはどのように行いますか?
5年間の有効期間が満了する前に、入国管理事務所で延長申請を行います。延長には資産要件の再証明と、滞在期間中の法令遵守の確認が求められます。延長が承認されればさらに5年間の滞在が可能です。
Q5: 子どもの教育はどうなりますか?
セカンドホームビザで帯同する子どもは、インドネシア国内のインターナショナルスクールに通学可能です。バリ島にはGreen School、Bali Island School、Canggu Community Schoolなど複数のインターナショナルスクールがあり、年間学費は100,000,000 IDR(約942,100円) 〜300,000,000 IDR(約2,826,300円) 程度です。
まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと
自分でできること:
- セカンドホームビザの制度概要と資産要件の理解
- 日本での書類準備(犯罪経歴証明書、資産証明書)
- オンラインでの申請手続き
- バリ島の生活環境・住居の下調べ
専門家に相談すべきこと:
- 不動産取得のスキーム構築(使用権 vs リースホールド)
- インドネシアの税務上の居住者判定と納税義務
- KITAS手続きの代行(現地の入管エージェント)
- 永住権(KITAP)への切り替え可能性の確認
セカンドホームビザは年齢制限がなく最長10年間の滞在が可能という、インドネシアの長期滞在ビザとしては画期的な制度です。資産要件の130,000 USD(約20,733,648円) は他国と比較しても中程度であり、バリ島をはじめとするインドネシアでの生活を検討している方にとって有力な選択肢となります。