この記事のポイント
- PT PMA(Penanaman Modal Asing)はインドネシアで外資が設立できる法人形態で、多くの業種で**外資100%**が認められている
- 最低投資額はIDR100億(約1億円)、最低払込資本金はIDR100億の25%(約2,500万円)
- OSS(Online Single Submission)システムにより、法人設立手続きはオンラインで完結可能
📌 この記事はBKPM(投資調整庁)の公式情報(2026年3月確認)に基づいています。
PT PMAとは
PT PMA(Perseroan Terbatas Penanaman Modal Asing)は、外国資本が出資するインドネシアの有限責任会社です。2020年のオムニバス法(雇用創出法)により、外資規制が大幅に緩和され、多くの業種で外資100%での法人設立が可能になりました。
PT PMA設立の基本要件
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 最低投資額 | IDR100億(約1億円 / USD650,000) |
| 最低払込資本金 | IDR100億の25%(約2,500万円) |
| 取締役 | 最低1名(外国人可) |
| コミサリス(監査役) | 最低1名 |
| 株主 | 最低2名(法人・個人いずれも可) |
| 所在地 | インドネシア国内に登記住所が必要 |
| 業種制限 | ネガティブリスト(DNI)に該当しないこと |
設立手順
ステップ1:会社名の予約
公証人(Notaris)を通じて法務人権省に会社名を申請します。処理期間は約3営業日です。
ステップ2:定款作成・公証
公証人が定款(Akta Pendirian)を作成し、公証します。株主構成、事業目的(KBLI分類)、資本金などを記載します。
ステップ3:法務人権省への登記
定款を法務人権省に提出し、法人格(SK Kemenkumham)を取得します。処理期間は約14営業日です。
ステップ4:OSSでの事業許可取得
OSS(Online Single Submission)システムで以下を取得します:
| 許可・番号 | 内容 |
|---|---|
| NIB(基本事業番号) | 全企業に必須の事業者番号 |
| 事業許可証 | リスク分類(低・中・高)に応じた許可 |
| NPWP(納税者番号) | 税務登録番号 |
ステップ5:銀行口座の開設
法人名義の銀行口座を開設し、払込資本金を入金します。
費用の目安
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 公証人費用 | IDR500万〜1,500万(約5〜15万円) |
| 法務人権省登記 | IDR100万〜200万(約1〜2万円) |
| 法人設立代行サービス | USD2,000〜5,000 |
| バーチャルオフィス(登記住所用) | USD100〜300/月 |
| 合計(代行利用時) | USD3,000〜7,000 |
日本人が知っておくべき注意点
- ネガティブリストの確認:2024年改定のネガティブリスト(大統領令2021年第10号の改定版)で、自社の業種が外資制限に該当しないか確認が必須です
- KBLI分類の重要性:事業目的はKBLI(インドネシア標準産業分類)コードで指定する必要があり、適切なコード選択が許認可に直結します
- ノミニー禁止:名義貸し(ノミニー)は法律で禁止されており、発覚した場合は法人格が取り消されます
- 駐在員事務所との違い:営業活動を行う場合はPT PMAが必須です。駐在員事務所(KPPA)は市場調査のみ可能です
よくある質問(FAQ)
Q: PT PMAの設立にはどのくらいの期間がかかりますか? A: 書類が揃っていれば約4〜8週間です。代行サービスを利用すれば最短3週間で完了する場合もあります。
Q: 外資100%で設立できない業種はありますか? A: 報道・メディア、一部の小売業、内航海運などは外資制限があります。最新のネガティブリストで確認してください。
Q: 日本から遠隔で設立手続きは可能ですか? A: 公証手続きには原則として現地での立会いが必要ですが、委任状(Power of Attorney)を利用すれば代理人による手続きも可能です。
Q: 最低資本金を下回る金額で設立できますか? A: 中小企業向けの特例(PT PMDN)は内資企業のみ対象です。外資企業(PT PMA)はIDR100億の最低投資額が必須です。
Q: 設立後の年次義務は何ですか? A: LKPM(投資活動報告書)の四半期提出、年次財務報告、法人税申告(年次・月次)が義務です。
まとめ
インドネシアでのPT PMA設立は、オムニバス法とOSSシステムの導入により以前より大幅に簡素化されています。ただし、ネガティブリストの確認やKBLI分類の選択など専門知識が必要な部分もあるため、初めての進出では現地の法律事務所やコンサルタントの活用を推奨します。