📌 この記事の要点

インドネシアで外国人が不動産を購入する方法を徹底解説。使用権(Hak Pakai)・建設権(HGB)の違い、コンドミニアム購入条件、バリ・ジャカルタの2026年価格相場、ノミニー問題のリスクまで。

この記事のポイント

📌 この記事はインドネシア土地庁(ATR/BPN)および政令PP 18/2021の公式情報(2026年3月22日確認)に基づいています。


インドネシアの土地権利制度

インドネシアの不動産制度は、1960年の土地基本法(UUPA: Undang-Undang Pokok Agraria No. 5/1960)を基盤としています。日本のように誰でも土地を所有できる制度とは大きく異なり、権利の種類によって取得できる主体が制限されています。

権利の種類一覧

権利名インドネシア語期間外国人個人外資法人(PT PMA)
所有権Hak Milik永久××
建設権Hak Guna Bangunan (HGB)30年+20年+30年×
使用権Hak Pakai30年+20年+30年
利用権Hak Guna Usaha (HGU)35年+25年+35年×○(農業・プランテーション)
リースSewa Menyewa契約次第(25〜30年)

日本との決定的な違い: 日本では外国人でも土地・建物の所有権を取得できますが、インドネシアでは土地の所有権(Hak Milik)はインドネシア国民にのみ認められています。


外国人個人が購入できる不動産

使用権(Hak Pakai)での購入

政令PP 18/2021に基づき、インドネシアに居住する(KITAS/KITAP保持者)外国人は、**使用権(Hak Pakai)**付きの不動産を購入できます。

条件:

最低購入価格(2026年時点)

エリアアパートメント/コンドミニアム一戸建て
ジャカルタ3,000,000,000 IDR(約28,146,000円5,000,000,000 IDR(約46,910,000円
バリ2,000,000,000 IDR(約18,764,000円3,000,000,000 IDR(約28,146,000円
バタム1,500,000,000 IDR(約14,073,000円2,000,000,000 IDR(約18,764,000円
その他地方都市1,000,000,000 IDR(約9,382,000円2,000,000,000 IDR(約18,764,000円

⚠️ 最低購入価格は省令で改定される場合があります。最新情報はATR/BPNで確認してください。

コンドミニアム(ストラタタイトル)の購入

外国人にとって最も現実的な選択肢は**コンドミニアム(Rumah Susun / Apartemen)**の購入です。ストラタタイトル(区分所有権)で取得し、使用権(Hak Pakai)が設定されます。

メリット:


PT PMA(外資法人)名義での購入

個人名義での制限を回避する合法的な方法として、**PT PMA(外資法人)**を設立し、法人名義で不動産を取得する方法があります。

HGB(建設権)の活用

PT PMA名義であれば、HGB(Hak Guna Bangunan / 建設権)を取得できます。HGBは土地の上に建物を建設・所有する権利で、期間は最長30年+20年延長+30年延長の合計最大80年です。

項目内容
権利名HGB(Hak Guna Bangunan)
取得主体インドネシア法人(PT PMA含む)
初回期間最長30年
延長1回目最長20年
延長2回目最長30年
用途商業・住居・事務所
担保設定可能(銀行融資の担保にできる)

PT PMA設立の費用

PT PMAの設立費用は5,000 USD(約795,166円15,000 USD(約2,385,496円 が目安です。詳しくはインドネシアPT-PMA設立ガイドをご参照ください。


バリ・ジャカルタの不動産相場(2026年)

バリ島の相場

エリア物件タイプ価格帯利回り目安
スミニャック/チャングーヴィラ(2〜3ベッドルーム)150,000 USD(約23,854,965円500,000 USD(約79,516,550円8〜12%
ウブドヴィラ(2ベッドルーム)100,000 USD(約15,903,310円300,000 USD(約47,709,930円6〜10%
ヌサドゥアコンドミニアム120,000 USD(約19,083,972円400,000 USD(約63,613,240円5〜8%
ジンバランヴィラ/コンド200,000 USD(約31,806,620円600,000 USD(約95,419,860円6〜9%

ジャカルタの相場

エリア物件タイプ価格帯(㎡あたり)利回り目安
South Jakarta(SCBD)コンドミニアム2,000 USD(約318,066円4,000 USD(約636,132円 /㎡4〜6%
Central Jakartaコンドミニアム3,000 USD(約477,099円6,000 USD(約954,199円 /㎡3〜5%
BSD City(タンゲラン)タウンハウス800 USD(約127,226円1,500 USD(約238,550円 /㎡5〜7%

日本との比較: 東京23区のマンション平均価格(㎡あたり約100万円)と比較すると、ジャカルタは1/3〜1/5程度の水準です。ただし、インドネシアでは外国人の住宅ローン利用が困難なため、基本的に現金一括購入が前提となります。


購入手続きの流れ

個人名義(Hak Pakai)の場合

  1. 物件選定・内見: 現地不動産エージェントを通じて候補物件を視察
  2. 予約金の支払い: 通常5,000,000 IDR(約46,910円50,000,000 IDR(約469,100円 の予約金
  3. 売買契約書(PPJB)の締結: 公証人(Notaris)の立会いのもと仮契約
  4. 購入代金の支払い: 全額または分割払い(新築の場合)
  5. 譲渡証書(AJB)の作成: 土地証書作成官(PPAT)が作成
  6. 権利移転登記: BPN(土地庁)で使用権の名義変更
  7. 完了: Hak Pakai証書の交付

所要期間: 2〜4ヶ月(新築の場合は引渡しまで1〜2年)

諸費用

項目費用
取得税(BPHTB)物件価格の5%
公証人費用物件価格の0.5〜1%
PPAT費用物件価格の1%
登記費用(BPN)500,000 IDR(約4,691円2,000,000 IDR(約18,764円
不動産エージェント手数料物件価格の2〜5%(通常売主負担)
合計諸費用目安物件価格の7〜12%

ノミニー(名義貸し)の危険性

なぜノミニーが横行するのか

外国人が土地所有権(Hak Milik)を取得できないため、インドネシア人の名義を借りて購入する「ノミニー契約」が一部で行われています。特にバリ島のヴィラ投資で多く見られます。

ノミニーのリスク

絶対にノミニーを使わないでください。 合法的な方法(Hak Pakai、PT PMA経由のHGB、リース)で十分にインドネシア不動産への投資は可能です。


日本人が知っておくべき注意点

居住許可証(KITAS/KITAP)の維持

個人名義での不動産購入にはKITAS/KITAPが必要です。退職者ビザ(ITAS 319)、セカンドホームビザ、投資家ビザなど、長期滞在ビザの取得・維持を前提に購入計画を立ててください。

為替リスク

インドネシアルピア(IDR)は日本円に対して変動が大きい通貨です。過去5年間でUSD/IDRは13,000〜16,000の幅で変動しています。大きな金額の送金時は為替タイミングに注意してください。

固定資産税と年間維持費


よくある質問(FAQ)

Q1: インドネシアに居住していなくても不動産を購入できますか?

個人名義での購入は居住許可証(KITAS/KITAP)が必要です。非居住者の場合は、PT PMA(外資法人)を設立してHGB(建設権)で取得するか、リース契約を検討してください。

Q2: バリでヴィラを買って民泊運営はできますか?

外国人個人名義の使用権(Hak Pakai)は自己居住用のため、商業的な民泊運営はできません。PT PMA名義でHGBを取得し、適切な事業許可を取得すれば合法的に運営可能です。

Q3: インドネシアの不動産は転売できますか?

はい。使用権(Hak Pakai)付き不動産は、他の外国人または内国人に転売可能です。ただし、転売時にもBPHTB(取得税5%)や所得税(売却益の2.5%)が課されます。

Q4: 住宅ローンは使えますか?

外国人がインドネシアの銀行で住宅ローンを利用することは非常に困難です。一部の外資系銀行が対応する場合もありますが、基本的には現金購入を前提に計画してください。

Q5: マレーシアの不動産購入と比較してどちらが有利ですか?

マレーシアは外国人でもフリーホールド(所有権)の不動産を購入可能で、制度面ではより外国人に優しい環境です。詳しくはマレーシア不動産購入ガイド2026をご参照ください。


まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと

✅ 自分でできること

⚠️ 専門家に相談すべきこと

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この記事の情報は2026年3月22日時点のものです。インドネシアの不動産規制は改正される場合があるため、最新情報はATR/BPN(土地庁)でご確認ください。

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※ この記事の情報は2026年3月22日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。