この記事のポイント

この記事はインドネシア関税総局(DJBC)および商業省の公式情報(2026年3月確認)に基づいています。

インドネシアの貿易制度の概要

インドネシアは人口2.8億人のASEAN最大市場であり、日本にとって重要な貿易パートナーです。ただし、輸入規制は他のASEAN諸国と比べてやや複雑で、品目ごとに異なる規制機関の許可が必要になるケースがあります。

関税体系

区分関税率の目安代表的な品目
一般税率0〜40%一般消費財、工業製品
JIEPA優遇税率0〜5%自動車部品、電子部品、鉄鋼
RCEP優遇税率段階的引き下げ食品、化学品
高関税品目40〜150%アルコール飲料、自動車完成車
禁止品目輸入不可中古衣料品、特定の化学物質

主要な関税以外の課税

輸入に必要な書類と手続き

必要な登録・番号

  1. NIB(Nomor Induk Berusaha):事業者基本番号(OSSで取得)
  2. API(Angka Pengenal Importir):輸入者識別番号
    • API-U(一般輸入者):自社使用目的
    • API-P(卸売輸入者):販売目的
  3. NTP(Nomor Transaksi Penerimaan):通関用ID

通関の流れ

  1. 商品の船積み前にINSWで事前申告
  2. 到着港での書類審査(PIB:輸入申告書の提出)
  3. 関税・税金の納付
  4. 物理検査(レッドチャネルの場合)
  5. 通関許可(SPPB)の発行
  6. 貨物の引き取り

通関チャネル(リスク分類)

チャネル内容所要時間
グリーン書類審査のみ即日〜1日
イエロー書類の詳細審査1〜3日
レッド書類審査+物理検査3〜7日

輸出の手続き

輸出に必要な書類

輸出規制品目

インドネシアは天然資源の未加工品輸出を制限しています。特にニッケル鉱石は2020年から輸出が全面禁止されており、加工品のみ輸出可能です。

日本人が知っておくべき注意点

JIEPA(日インドネシア経済連携協定)の活用

2008年発効のJIEPAにより、日本からインドネシアへの輸出品の約90%で関税が撤廃または引き下げられています。利用するには日本商工会議所が発行する特定原産地証明書が必要です。

ハラール認証の義務化

2024年10月より、食品・飲料・化粧品・医薬品のインドネシア輸入にはハラール認証が義務化されました。認証取得には3〜6ヶ月かかるため、早めの準備が必要です。詳しくは インドネシアのハラール認証ガイド をご覧ください。

規制の頻繁な変更

インドネシアの貿易規制は変更が頻繁です。商業省令や関税総局の通達は年に数十回更新されるため、現地の通関業者やJETROの最新情報を常にチェックすることが重要です。

日本との輸出入比較

項目日本から輸出日本へ輸入
主要品目自動車部品、鉄鋼、電子部品天然ガス、石炭、パーム油
平均関税率5〜10%(JIEPA利用で0〜5%)0〜5%
通関所要時間1〜7日1〜3日
特別な規制ハラール認証、SNI規格食品衛生法、植物防疫

よくある質問(FAQ)

Q1. 個人で少量の商品をインドネシアに送れますか?

個人向けの小口貨物は3 USD(約477円 を超える場合に関税が課されます。2023年にde minimis(少額免税)基準が引き下げられたため、ほぼ全ての国際郵便に課税される点に注意してください。

Q2. ECサイトでインドネシアに販売する場合の手続きは?

越境ECの場合でも、インドネシア側で輸入通関が必要です。Shopee、Tokopediaなどのプラットフォームを利用する場合は、プラットフォーム側が通関手続きを代行するケースもあります。

Q3. 日本の食品をインドネシアに輸出するには?

食品の輸入にはBPOM(食品医薬品監督庁)の登録、ハラール認証(BPJPH)、SNI規格への適合が必要です。手続きに6ヶ月〜1年かかることもあります。

Q4. 関税の支払い方法は?

関税・税金はインドネシアの指定銀行(Bank Mandiri、BNIなど)またはオンラインバンキングで納付します。納付後にNTPBN(納税受領番号)が発行されます。

Q5. 通関業者(PPJK)は必ず必要ですか?

法的には自社通関も可能ですが、実務上はPPJK(Pengusaha Pengurusan Jasa Kepabeanan:通関業者)の利用がほぼ必須です。関税分類の判断ミスや書類不備による遅延・罰金を防ぐためです。

まとめ:自分でできること vs 専門家に相談すべきこと

自分でできること:

専門家に相談すべきこと:

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※ この記事の情報は2026年3月22日時点のものです。最新情報は各国政府の公式サイトをご確認ください。当サイトは情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。